新聞等で発表されておりますが、2017年6月のヤマト運輸の宅配便個数は前年対比で4.6%増加、ちなみに5月は7%増えているとのことです。先日の日本経済新聞でアマゾンの商品が遅延している報道がございましたが、確かにヤマト運輸の品質は物流倉庫会社としても感じますが非常に高いと感じます。高品質も個数の増加の一因となっているのは間違いないのではないでしょうか。
多くの新聞、テレビをはじめとしたメディアに宅配便料金の見直しがかかっていても宅配便の個数が増加している原因は通信販売マーケットの増加による影響です。
まだまだ日本市場において、通販市場が成熟しているとは考えにくく、多少宅配便料金が上がっても今後も宅配便の総数量は増え続けると推測しております。
弊社においても宅配便コストが増加する一方で、その他の物流コストの効率化により宅配便の運賃の値上げを吸収できないか?と考えるお客様が多く、連日お問い合わせを頂いており本日は一般的な物流の効率化の拠点についての一般的な考え方をまとめました。
目次
物流拠点の検討 ( 配送 )
物流拠の選定において配送ルートを考慮した検討は一番重要な抜本的なポイントになります。
一般的に、企業向け物流では最終出荷先までの配送コストや納期が重要なポイントとなる為、最終出荷地に近い地域を選定するのが一番多いケースになります。今回の宅配便料金が大きく世間を騒がせたのも物流コストにおいて大きな割合を占める宅配便料金が大きく変動するからですし、首都圏近郊の大型物流施設が急激に成長しているのはこの為です。
また、弊社が通販をはじめとする全国配送を行なう多くのお客様に選ばれる一番の理由も物流拠点として浜松が関東と関西の中心にある点が大きいです。
通販ですと一般的に関東~関西圏で7割の出荷率になります。関東と関西の中心位置に物流拠点を持ってくれば必然的にコストと納期の改善を行なう事ができます。一般的に関東からですと関西方面、関西からですと関東方面の配送料金が上がるのが一般的ですが、中心位置であれば関東向けも関西向けも比較的良いレートの運賃が利用できます。
物流拠点の検討 ( 発送代行、出荷代行業務 )
配送コストと同様に検討しないといけないのは発送代行業務、出荷代行業務を行なうにおいて最適な地域であるか?という点です。
これは取扱いを行なう商品によって選択する場所も大きく変わります。例をだしますと、大型の商品等で比較的流通加工がなく、入荷された状態でそのままケース出荷、フレコン出荷する輸入商品であれば場所代と人件費の兼ね合いになりますが、港の近くに物流拠点を持つのが一般的です。
港の近くの物流拠点は一般的に物流拠点としては一等地と呼ばれる地域になります。住宅街に位置するわけではない為、一般的なパート、派遣を含めた労働者を何人も集めるのが難しく、地代も人件費も高いのが一般的です。しかし、ピッキング等含めた商品を加工する作業がないのであれば人件費が高い部分が関連する割合が少なく、多少高い地代を払っても配送コストの点を考慮すればメリットがあるといことが多くのケースであります。
一方で、細かい商品のピッキング、通販の発送代行等を考えますと多くの人を使う作業になる為、港の周辺に拠点を配置することは一般的に向いていません。
港と比較し、労働者の集まりやすい地域が物流拠点としては適しています。浜松委托運送も加工作業を得意とする会社ですのでこちらに分類されます。
取り扱う商材、生産拠点に合わせて物流拠点を選択するとどの場所が適しているかが見えてくると思います。
物流拠点の集約
物流拠点の検討にて適切な物流拠点が確立されましたら、次に検討されるのが物流拠点の集約です。関東、関西に大和ハウス、プロロジス等が建設している大型物流倉庫がまさにこれに該当します。一般的に数千坪を超える物流倉庫を利用している荷主様は一つの拠点では足りなく、複数の物流拠点を持つのが一般的でした。複数持つことにより拠点が分散され大きな物流波動に耐えるというのがこれまでの一般的な考えでした。しかし、ここ数年複数拠点を一箇所に集約することにより、在庫管理、人材含め一本化することにより効率化されコストメリットがでるということで、特に関東においては大型の物流施設の需要がここ数年大きな伸びをしました。
一方で拠点を集約することのデメリットはリスク回避ができない点が上げられます。アスクルの火事で出荷が滞り、一時的な売り上げが下がっているのが各報道機関に発表されましたが、これ以外にも大きな物流波動は注意しなければならない大きなポイントです。また、最近の首都圏の流れとしては大型物流施設が次々と建設される為、企業同士で作業員の取り合いになり、人件費の高騰となっているということもよく耳にします。
最近物流のニュースとして話題で各報道機関にあげられましたが、ユニクロが有明に物流拠点をまとめましたが、あまりにも大きな規模で大きな波動であった為、2016年末に波動に耐える事ができなく出荷が滞った例もあります。
出荷数量も大きな規模になればなるほどコントロールは難しい為、物流の理想と実際の運用のギャップをしっかり管理することは非常に重要なポイントです。
浜松委托運送も関東と関西の物流拠点の集約、港の近くの保税倉庫と内陸の倉庫の集約等ここ数年何社か拠点の集約にご協力させて頂いた実績もございます。運用を上手くできれば大きな物流の効率化が実現し大幅なコスト削減になる非常に重要なポイントです。
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