スマートロジスティクスとは、先端技術を用いて物流の効率を高める取り組みのことです。主にIoTやAIを活用して、物流業界の課題解決を目指します。
本記事では、スマートロジスティクスの概要や、必要とされる背景、導入によって期待できる効果などを解説しています。
スマートロジスティクスを用いて人手不足や業務の効率を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
■この記事でわかること
- スマートロジスティクスとは何かがわかる
- スマートロジスティクスが必要とされている理由がわかる
- スマートロジスティクスの導入による効果がわかる
目次
スマートロジスティクスとは
最新技術を用いて、物流管理の効率化を図る取り組み
「スマートロジスティクス」とは、ロジスティクスのなかでも「IoTやAIなどの先端技術を活用して物流の効率化・最適化を目指す」取り組みのことを指します。
スマートロジスティクスを導入することで、物流コストや運送時間の最適化、環境負荷の低減、貨物セキュリティの向上といった効果が期待でき、多くの企業が導入しています。
スマートロジスティクスには大きく、倉庫IoTと輸送IoTの2つに分けられます。それぞれの特徴は下記のとおりです。
種類 | 特徴 | 具体例 |
倉庫IoT | 倉庫の状態をネットワークで管理する技術 | 在庫管理システム・ 自動倉庫システムなど |
輸送IoT | 配送の状況をネットワークで管理する技術 | GPS・配車システムなど |
なお、ロジスティクスの概要ついては以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて参照してください。
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ロジスティクスとは?意味・導入する目的をわかりやすく解説活用されている技術
スマートロジスティクスに活用されている技術は、次の2つです。
- IoT
- AI(人工知能)
それぞれの用語の意味や、特徴などを詳しく解説します。
IoT
IoTはInternet of Thingsの略語で、日本語ではモノのインターネットと呼ばれています。スマホやパソコンだけではなく、さまざまなモノをインターネットに接続し、情報をやりとりすることで制御するシステムのことを指します。
AI(人工知能)
AIはArtificial Intelligenceの略語で、日本語では人工知能と訳されます。「人間のような知能を再現したコンピューター」のようなもので、人間の脳のような創造的なアウトプットを行なったり、自己学習することが大きな特徴です。
スマートロジスティクスの目的のひとつは「労働者の負担を減らし、働きやすい環境を作ること」です。IoTやAIの発展により職を奪われることを危惧する人もいますが、現段階ではいますぐに労働者から職を奪うものではありません。
スマートロジスティクスが必要とされている理由
スマートロジスティクスが必要とされている理由は、物流業界が抱える課題に関係しています。
- ドライバーの人手不足と高齢化
- 長時間労働などの過酷な労働環境
- EC需要増加に伴う予備人員・車両の確保
- 燃料価格の高騰
また、2024年問題への対策としても、スマートロジスティクスを導入する企業が増えてきています。
2024年問題とは、働き方改革関連法案によってトラックドライバーの時間外労働に上限が設けられることで、2024年4月以降に発生すると考えられている、輸送能力の低下や人手不足の深刻化といった諸問題のことです。
物流業界の課題と物流2024年問題は、それぞれ別のページで詳しく解説しています。気になる方は、あわせてご覧ください。
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物流業界の2024年問題とは?想定される問題と必要な対策を解説スマートロジスティクスの導入によって期待できる効果
スマートロジスティクスを導入すると、人手不足や業務の負担を軽減できる可能性があります。具体的に、下記のような導入事例があります。 それぞれ確認していきましょう。
- 入荷商品チェックの自動化
- 在庫管理の効率化
- 倉庫内ピッキング業務の効率化
- 配送ルートの作成・最適化
入荷商品チェックの自動化
一般的に入荷された商品においてバーコードを利用して商品照合をする対応は多く利用されています。
その一方で、海外製のバーコードが貼られていない商品を商品照合する為にAIの画像認識を利用する技術が注目されています。例えば、商品に記載されているラベルやタグを自動認証する技術が利用されています。
在庫管理の効率化
物流センターでは倉庫管理システム(WMS)が活用されています。入出荷や帳簿の作成等の作業全般を管理するシステムです。
この倉庫管理システムに、倉庫の荷物1つ1つの位置のリアルタイム情報を連携すれば、在庫の照会や補充、履歴管理などの自動化ができます。
また倉庫管理システムのデータをAIで分析することで、需要を元にしたサプライチェーン全体の効率アップも可能でしょう。
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WMSとは?物流倉庫に導入する際の基礎知識を徹底解説倉庫内ピッキング業務の効率化
物流において欠かせない倉庫でのピッキング業務ですが、倉庫内作業の中でも最も手間のかかる作業の一つでもあります。
このピッキング業務をAIに任せたり、一部の業務でIoTを活用したりすることで効率化が可能です。
たとえば、AIを用いて作業改善案を出したり、AIによる画像判断で荷物の振り分けを決定させたり、ピッキングが早い人材の作業をAIに学習させロボットに任せたりすることなどがなされています。 IoTを活用した例では、次世代バーコードによる時間短縮やハンディターミナル・タブレットによるミスの削減などが挙げられます。
配送ルートの作成・最適化
IoTデバイスを搭載したトラックなら、配送場所や配送時刻、荷物の積載情報などのデータ収集管理ができます。
このデータを元に、配送管理システムとの連携やリアルタイムの交通状況にあった最適な配送ルートの提示、コンピューター上でのシミュレーション実験などが可能になります。
これにより、新人のドライバーでも迷うことなく効率的に荷物を届けられるようになります。また配送工程における無駄がなくなることによって、コスト削減・人手不足の解消にも繋がります。
まとめ
スマートロジスティクスとは、IoTやAIといった先端技術を用いて、物流業務の効率化を図る取り組みです。導入することで、業務の効率化や、ヒューマンエラーやコスト削減といった効果が期待できます。
スマートロジスティクスは、ネット通販の普及や、運送業界の人手不足への対策として注目されてきましたが、2024年問題が間近に迫ったことで、導入を急ぐ企業がさらに増えています。
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