物流倉庫にかかる費用としてイメージしやすいものとして、倉庫保管料や業務管理料などが挙げられますが、ほかにも入庫・デバンニング料など、さまざまな費用がかかります。
それぞれの相場を理解して、費用を抑えるポイントを理解しておかなければ、物流倉庫に対して無駄なコストをかけてしまうかもしれません。
本記事では、物流倉庫にかかる費用を項目ごとに解説しています。物流倉庫にかかる費用の削減をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
■この記事でわかること
- 物流倉庫にかかる固定費
- 物流倉庫にかかる変動費
- 物流倉庫の費用を抑えるポイント
目次
物流倉庫の費用
物流倉庫にかかる費用は、固定費と変動費の大きく2つに分類されます。以下では、固定費と変動費の各項目、おおよその費用を紹介します。
なお、費用は地域や場所、坪数、常温か冷凍かなどで異なるため、あくまで平均的な目安として参考にしてください。
■固定費
項目 | 費用 |
---|---|
システム利用料 | 5~8万円程度 |
業務管理料 | 3~5万円前後 (システム利用料と一緒にしている場合も多い。) |
倉庫保管料 | 1坪あたり4,000~12,000円程度(※) |
※場所地域、利用坪数、常温、低温、冷蔵、冷凍によって大きく変わる
■変動費
項目 | 費用 |
---|---|
デバンニング料 | 2~5万円程度 |
入庫料 | 1個あたり20~30円 |
検品料 | ・数量チェックのみ:1個あたり10~30円 ・動作チェックあり:1個あたり100円~200円前後 |
出荷・ピッキング料 | 1個あたり20~30円 |
梱包料・流通加工料 | 1個あたり150円~300円 |
配送料 | エリアによって異なる |
固定費
システム利用料
基本料金として「システム利用料」があります。物流倉庫で使われているシステムはWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)と呼ばれ、実際のモノの流れや入荷・格納、ピッキングなどの倉庫作業に必要な情報の収集や出力を行います。
一般的な「販売管理ソフト」とは異なり専門的で高性能なシステムとなるため、毎月の固定費として請求する物流倉庫が多いでしょう。
また、倉庫を運営するのには当然検品に利用するハンディターミナル、送り状発行のプリンタ等等の保守費用もこちらの料金に含まれることが多いです。
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業務管理料とは、温度や湿度の管理、破損・落下から守るなど商品全般の管理に必要となる費用のことです。
在庫管理はただ保管すればいいわけではなく、状態を劣化させず、安全な状況で保管しなければなりません。そのためには、基本料とは別に業務管理料を支払い、適切な管理を行う必要があります。
業務管理料の費用は出荷件数に応じて決められることが多く、出荷件数が多ければ割引されるケースもあります。システム利用料とは異なりますが、基本料としてまとめて計上されることもあるでしょう。
倉庫保管料
倉庫保管料とは、倉庫内での保管に必要なスペースにかかる料金のことです。物流倉庫会社によって使用している単位が異なり、「1坪」「1パレット」「1ラック」などの単位が使用されています。
倉庫保管料は立地と料金形態によって異なるため、費用に差が生まれやすい項目です。基本的には首都圏が高く、地方のほうが安い傾向にあります。
料金形態は、保管する荷物の個数によって料金が決まる「個建て」や、使用する坪数によって決まる「坪建て」などの種類があります。
また、冷蔵・冷凍、定温といった倉庫の種類も、費用差が生まれる要素です。温度管理を必要とする場合には電気代などの別途費用がかかるため、物流倉庫にかかる費用も多くなりがちです。
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デバンニング料
トラックの荷台やコンテナから荷物を取り出す作業(デバンニング)にかかる費用のことです。
フォークリフトなどを使って荷下ろしする作業には、安全面への配慮や荷崩れに対応する技術が要求されます。そのため、入庫料とは別途でデバンニング料が必要になる場合が多いでしょう。
また、デバンニングがバラ作業の手摘みか、パレット作業かによって費用が変動します。コンテナが20Fか40Fかで長さが異なるため、費用に違いが出てくるでしょう。
入庫料
仕入荷物を倉庫に搬入する際にかかる費用です。入庫の形態によって単価が設定されるため、コンテナ・宅配便・PLなどによって料金が異なります。さらに、検品などが必要な場合は別途費用が発生します。
検品料
入庫する商品の検品にかかる費用です。商品の個数や破損の有無などを確認する作業代となります。チェック項目によって料金は変動します。
高度な検品をする場合、例えばアパレルのレンタル等では返品後の検品にはしみがついていないか、ほつれがないか?等を検品する場合も別途作業項目としてお見積りを作るケースが多いです。
出荷・ピッキング料
出荷する際、商品を倉庫から取り出す作業(ピッキング)にかかる費用もあります。出荷・ピッキングにかかる費用は商品によって異なりますが、1つあたり20〜30円が一般的な相場です。
出荷・ピッキング料は、梱包や流通加工料に含まれる場合があるため、契約時に確認するようにしてください。
梱包料・流通加工料
注文の入った荷物をダンボールなどの資材に梱包して発送業者に引き渡す作業にかかる費用です。送り状や納品書などの発行費用は含まれている場合が多いですが、のしやギフトラッピングなど特別な要求がある場合は別途料金が必要となるでしょう。
配送料
配送料は、お客様に荷物を届けるための費用です。多くの倉庫業者は運送会社と契約しているため、一般的には運送会社に支払う料金を指します。なかには、自社のトラックとドライバーによる配送をしている場合もあります。
配送料は配送先によって異なり、中部エリアからの首都圏への発送であれば720円から、沖縄は940円から、北海道は1,000円からと、距離が離れるにつれて料金も高くなるため、注意が必要です。
その他の費用
冷蔵冷凍が必要な商品を取り扱う場合、冷蔵設備にかかる光熱費が発生することがあります。また、バーコードがついていないアパレル製品の場合は仕分け作業の手間がかかるため、入庫料が高くなることもあります。
物流倉庫の費用を抑えるためのポイント
物流倉庫への委託費用は、必要な業務に絞って依頼することも可能です。自社が苦手とする作業のみ委託することで、不必要なコストを削減できるでしょう。
まずは部分的に切り出してみて、工数などを踏まえ、より委託領域を広げるのも一つの方法です。結果的に自社で行うよりも、すべてアウトソーシングしたほうが費用を抑えられる場合もあります。
また、上述のとおり物流倉庫の費用は、倉庫保管料に準じる点が大きいです。とくに立地の選択は重要で、毎度の配送料にも影響する部分になります。
初期費用が安いことを理由に契約してしまうと、自社の配送エリアとの距離が遠くなってしまい、かかる費用がかさむケースも考えられます。
物流倉庫の業務を委託する際は、立地と費用のバランスを見て選ぶことが、費用を抑えるために重要なポイントです。
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物流倉庫にかかる費用は項目ごとに異なります。例えば、出荷・ピッキング費用であれば、1個あたり20〜30円程度とある程度のかかる費用が把握できます。
しかし、デバンニング料であれば、作業方法やコンテナのサイズによって料金が変動します。倉庫保管料であれば、坪や保管場所、管理方法によって費用が異なるため、自社商品の特性によってかかる費用は大きく変わるでしょう。
ただし、商品の特性は変えられないため、物流倉庫にかかる費用を抑えたいのであれば、物流倉庫の拠点の位置が重要になります。
浜松委托運送では、日本の中心立地である浜松に拠点があるため、配送料のコストを抑えられます。自社開発による物流管理システム(WMS)で、高品質な在庫管理も可能ですので、アウトソーシングを検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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