通販市場全体が毎年大きく拡大している中、浜松委托運送でも通販の発送代行・物流代行業務はここ数年で急拡大している状況です。
今後も更に通販市場は急拡大するのではと肌身で感じております。
ここ数年の通販市場の急拡大には様々な理由が考えられます。
・Amazonプライムを代表とした「送料無料」の台頭
・スマートフォンの普及により誰でも手軽に商品を購入できる点
・決められた期日に商品が届くのが当たり前
このような利便さに支えられ急激に拡大していったことは間違いないでしょう。
今回は通販における消費者の送料無料への心理・関心について面白いデータを見つけましたので、ご紹介させていただければと思います。
我々のような物流倉庫(物流代行業者)にとっても送料無料というのは一つの大きな課題です。
今回ご紹介する朝日大学マーケティング研究所様のデータをみて消費者心理の現実を知る事ができました。
ネットショップ開設などで送料設定に悩んでいる方は、ぜひご参考ください。
目次
消費者がネットショップで購入する頻度は?
今回ご紹介するデータはWEBアンケートで集計したものです。
通販で年1回以上購入した事がある方20~69歳の男女を対象に結果を10年単位の男女で区切り(各50名)、合計500名のデータとなっています。
データを見ますとかなりバラつきはありますが、全体でも60%以上の人は月に一度は通販で商品を購入している事が分かります。
おおよそ40%近くの方は月に2~3回通信販売を利用していることから、いかに通販・ネットショッピングが身近になっているかということも感じられますね。
逆に3ヶ月に一度、もしくはそれより利用が少ないという方は全体の2割以下となっています。
消費者がネットショップで購入する理由
ネットショップで宅配便を利用する理由として一番多いのは、「思いついたときに買えるから」という理由で全体の46.8%となっております。
その次に「実際の店舗で購入するより安いから」、「実際の店舗では探すのが手間な商品が買いやすい」、「荷物を持ち運ぶ必要がないから」という理由がいずれも40%近い数字となっております。
確かにネットであればいつでも欲しいときにスマホで検索する事ができ、好きな商品を手軽に購入できるといった利便さは強いですよね。
また、このデータからは男女の違いは見受けられませんが、年齢が高くなるほど荷物の持ち運びが手間と考えるといった事がデータから読み取れます。
ネットショップで購入される商品ランキング
実店舗ではなくネットショップで購入するのはどのような商品か?をまとめたアンケートです。
女性はアパレル、化粧品、美容や健康食品を購入していることがデータから読み取れます。
また、男女ともに書類・雑誌が最も多いという結果です。
筆者自身も以前は本屋へ行き、店舗で何日かかかって取り寄せ依頼をしていました。
しかし、最近では欲しい商品はアマゾンで検索する方が早いことが多いのです。
実店舗ではなくついそちらを利用してしまう心理はどなたにも理解していただけるのではないでしょうか。
ネットショップで購入した方が安い商品とは?
「実際の店舗で購入するより安い」からネットショップで購入しているという商品のアンケート結果です。
一番多いのは家電製品。続いてCD/DVD/ソフトウェア/ゲームといったカテゴリが30%を超えていますが、これは価格ドットコムやアマゾンがイメージとして浮かびます。
以前であれば「家電は大型家電店で購入するもの」でしたが、最近ではネットショップでの購入が大きく伸びている様子がこの結果から見受けられます。
重い荷物はネットショップを利用
荷物を持ち運ぶ必要がないといった点で一番購入されている商品は「水・飲料」でした。
確かに水などの重い商品の持ち運びを宅配便会社へ委託できるのは通販の大きな魅力ですよね。
その一方で、運ぶ側である宅配便会社からは「重い荷物は女性従業員が取り扱いにくく困ってしまう」という声も物流倉庫会社ではよく伺っております。
消費者はネットショップで「送料」をどれくらい意識する?
さて、当記事の本題「消費者はネットショッピングをするときに送料をどの程度意識するか?」の回答結果はこちらです。
全体として84.4%の方は送料を必ず意識してから購入しています。
このことからも消費者は「送料を含めた価格」で購入を検討しているということが読み取れます。
消費者にとって、すでに送料無料は一般的な価値観になっていることがこのデータからも見てとれますね。
ではつぎに、商品価格+送料の見せ方に関するアンケート結果を見てみましょう。
下記のデータは同一商品を購入する場合、商品価格+送料の合計が同じだったとして、
A.商品価格と送料を分離した見せ方
B.商品価格と送料を合計した見せ方
この2つのどちらが購入しやすいかといったアンケートになります。
結果として消費者の心理状況が分かりやすく表れるデータとなりました。
合計金額が同じであった場合、【B】の送料無料と記載し商品価格に送料を含める方が、【A】の商品価格と送料を分離する方よりも買う可能性が高い結果になっています。
ここで注目したいのは比率であり、80%を超える方は「送料無料のほうが買う可能性が高い」と回答していることです。
送料無料といっても現実には物流コストはかかっています。
しかし、消費者心理としては配送コストを支払う事に抵抗があることが本データを見ると分かりますよね。
このことからも消費者は「送料無料」というフレーズにお得感を感じ購買意欲をかきたてられていると考えられます。
送料を含めた合計金額が同じであれば、送料無料をうたっている方が購買数UPに繋がるといっても過言ではないかもしれません。
「購入合計金額が〇〇円を超えると送料無料」について
最後に購入合計金額が○○円の場合送料無料というキャンペーンがあった場合の行動についてのまとめです。
【1】送料無料を満たす為に買う予定の商品の購入数量を増やす
【3】買う予定以外の商品を同時購入する
上記の行動の『よく行なっている』『ときどき行なっている』を合計すると、70%を超えています。
このデータは「送料無料」というフレーズがいかに消費者心理に影響しているかが分かる結果ともいえるでしょう。
一方で、違うお店で同じ商品が買えないか探す、または、商品を買うこと自体をやめるといった行動をとるケースも共に半数近くを占めるデータもあります。
まとめ
「送料無料」というワードを上手く利用し、ネットショップ上での商品が消費者心理とマッチすれば、ヒットを生み出す可能性は高まるといっても過言ではありません。
逆を考えると、いい商品でも送料無料のワードや企画の打ち出し方が消費者心理とマッチしなければ、なかなか売れなかったり、ヒット商品になるまでに時間がかかったりする可能性もあるでしょう。
「送料無料」は我々のような物流倉庫会社にとっても大きな課題です。
今回のアンケート結果は、今後も「送料無料」とどのように向き合い、上手く付き合っていくか模索する必要があると感じさせられるデータ資料となりました。
今回は、ネットショップ「送料無料」による効果とは?またその消費者心理についてデータをもとに解説しました。
この記事が送料設定に悩まれている方の参考になれば幸いです。
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