近年、EC市場は大きく成長しています。そのなかで自社のECサイトの受注が増加し、物流業務のコスト増やリソース減少に悩まされる方もいるのではないでしょうか。そこで検討したいのが、EC物流のアウトソーシングです。
この記事では、自社の物流業務に対して課題を感じている方に向けて、EC物流をアウトソーシングすることで解決できる課題やアウトソース可能な業務などについて紹介します。全ての業務をアウトソーシングすべきか、一部のみアウトソーシングするのか考える際のヒントにしてみてください。
目次
EC物流のアウトソーシングで解決できること
EC物流のアウトソースには、コスト削減や出荷波動への対応、出荷スピードの向上、サービスの柔軟性向上など様々なメリットがあります。また、EC物流業務を効率化することによって、会社のコア業務に集中できる点もメリットです。
EC物流のアウトソーシングで解決できる内容を具体的に見ていきましょう。
コストを削減できる可能性がある
EC物流をアウトソーシングするとコストを削減できる可能性があります。これは、自社の物流業務を委託することで、固定費を変動費にできるからです。
自社で物流業務を行なう場合は、時期による物量の変動を見越して多くの人やスペースを確保しなければならないため、人件費や管理費、輸送費、梱包費などの負担が大きくなります。
しかし、EC物流代行業者にアウトソーシングすることによって、受注量に合わせて、固定費だったものを変動費化することができ、閑散期や物流量の少ない時期にはコストを抑えることも可能です。
出荷波動に対応しやすい
母の日や父の日、お中元、お歳暮などのシーズンには、ECで大量の注文が発生します。自社で物流業務を行っている場合、配送遅延などのトラブルや他部署からのヘルプが必要になるかもしれません。
さらにイベントシーズン以外でも、土日やキャンペーンの影響で出荷量が増加することもあります。かといってピーク時を想定して確保した人材がいざ必要なかった場合、無駄な人件費を発生させてしまう可能性もあるでしょう。
EC物流代行業者は出荷波動への強さが特徴です。また、EC物流代行業者へ委託することで想定外の人件費ロスも防げます。
配送業務以外の注力すべき業務への人材確保が可能
EC物流市場は年々拡大しており、今後を見据えて販売戦略を強化したい企業も増加しています。EC物流業務をアウトソーシングすることで、これまで入荷業務や配送業務などの物流業務に携わっていた人員を、新商品の開発やマーケティング、営業などのコア業務に投入することが可能になります。
これによって販売体制をより強化することができるため、業務の効率化や利益につなげることができるでしょう。
注文から発送までのスピードが短縮ができる
物流の知識やシステムなどの専門性を持ったEC物流代行業者に委託をすることで、注文から発送までの業務を高品質にできるでしょう。
プロに任せることによって、誤出荷や細かなミスを防ぐことができ、顧客との信頼関係の維持やクレームの削減などの効果が期待できます。ひとつのミスが顧客との信頼に大きく関わってくる物流業務を委託することで、事前に予測のできる様々なトラブルを防止することが可能です。
流行に合わせたサービスの提供がしやすい
ECサイトから商品を購入する消費者のニーズは、流行の変化に合わせて変わっていきます。そのため、企業にも消費者ニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。
一度構築された自社の物流体制を変更するとなると、時間も費用もかかるため簡単には行えません。しかし、物流の専門性を持ったEC物流業者にアウトソーシングすることで、自社の負担を抑えた柔軟な対応が可能になります。例えば、商材や配送料を考慮して配送業者の変更を適宜行なうことで、最適な物流サービスを実現できます。
合わせて読みたい
EC物流とは?入荷から出荷までの仕組みについて詳しく知ろうEC物流アウトソーシングを始めるタイミング
これまで自社で入出荷業務を行っていた事業者の方は、アウトソーシングを始めるタイミングに悩むかもしれません。一般的に、倉庫のスペース不足に困ったり出荷件数に業務が追いつかなくなったりした場合、代行の依頼を検討しても良いでしょう。
EC物流の入出荷業務のアウトソーシングを始めるべきタイミングを紹介します。
倉庫の保管・作業スペースの確保が難しい
EC市場の拡大にあたり出荷量も増加しています。扱う商品の量が増えることで、既存の倉庫では作業動線が悪化し、作業効率が落ちてしまう可能性もあります。
そのような状況で今後さらに事業拡大を検討している場合は、早い段階でアウトソーシングを開始するのがおすすめです。入出荷業務の効率化によって会社全体の利益や従業員の意識改革、業務効率化につなげることができるでしょう。
出荷件数の増加により自社での発送業務が追いつかない場合
ECサイトからの発注が増加していることで業務量も増え、今まで社内で対応できたことも手が回らなくなってしまう可能性もあります。一人ひとりの業務量が増えると、従業員の士気にも影響し、離職につながる可能性があります。
業務量の増加によって入出荷業務が追いつかなくなっている場合には早い段階でアウトソーシングを開始しましょう。また、倉庫の現場職員と、業務対応について認識のずれがないように日頃からコミュニケーションをとっておくことも重要です。
今後の安定した売上が見込めた時
現状自社のみで物流業務が対応できていても、将来事業拡大を見据えている場合は、早い段階でアウトソーシングを開始してみても良いでしょう。
アウトソーシングによってコストの削減と人員の確保によるコア業務への集中が可能です。未来の事業拡大を見据えて導入することで、このような様々なメリットを早々に実現することが可能です。
また、マーケティングや商品開発、営業などにより力を入れていきたい場合もアウトソーシングは導入する価値があるでしょう。将来の事業成功による出荷量の増加にも対応できる地盤を作ることができます。
EC物流でアウトソーシングが可能な業務
EC物流において、アウトソーシングが可能な業務はどれくらいあるのでしょうか。一般的な物流バックヤード範囲の業務とフルフィルメント業務の二つに分けて解説します。
一般的な物流バックヤード業務の範囲
一般的なバックヤード業務の範囲内では
- 入荷・検品
- 流通加工
- 保管/在庫管理
- ピッキング
- 梱包/出荷
以上の業務がアウトソーシング可能な業務になります。
入荷・検品
入荷・検品では、仕入れた商品の数量や品質に問題がないかの確認をします。不備があった場合は仕入れ先に差し戻す対応をすることもあり、入荷のタイミングで仕入れに誤りのないようにしなければなりません。
流通加工
流通加工では、値札やタグ付、袋詰めなど、商品の販売が行えるような状態にします。商品の小分けや見栄えを整えることで、消費者の満足度の向上につなげることが可能です。
保管/在庫管理
物流倉庫内ではシステムを使用して、在庫数や倉庫内ロケーションの管理を行います。扱う商品によっては、温度指定など保管指示が出る場合もあるため、間違いのないよう注意が必要です。
ピッキング
出荷指示を受けた必要な商品を集めることをピッキングと言います。ピッキングミスが発生することで誤出荷につながってしまうので、ピッキングミスを防ぐためにあらゆる対策が必要になります。
自社でピッキングを行なっているなら
物流倉庫のピッキングを効率化する方法!まずはミスの要因をチェック!
梱包/出荷
ピッキングした商品の梱包を行い、出荷準備は完了となります。発送する際は、出荷伝票の貼り付けや出荷データ登録も行い、不備のないよう最終確認を行います。
フルフィルメント業務
商品が入荷から出荷されるまでに必要とされる、全ての業務をフルフィルメント業務といいます。
一般的なバックヤード業務に以下のものも加わります。
- ECサイトの運営
- 商品の撮影・採寸
- 受注処理
- 問い合わせ対応
撮影した画像はECサイトに掲載するため、以下に実物に近い状態で撮影するかがポイントとなります。採寸することで、サイズ感を消費者に伝えることができます。
また、商品に対する問い合わせやクレーム対応も物流業務のひとつです。消費者との直接的なやりとりも多いため、丁寧な対応を心がけましょう。
ECの物流倉庫に委託する特徴やポイントに関してはこちらをご覧ください。
EC物流の業務を委託を考えるなら
EC物流倉庫の特徴を紹介!委託するときのポイントも確認しようEC物流アウトソーシング利用時の注意点
EC物流のアウトソーシングをすることで、起こりうる注意点について紹介していきます。アウトソーシングを検討する際は、よく確認しましょう。
コスト比較はしっかりと行う
入出荷業務をアウトソーシングする際には、コストを計算したうえで比較検討しましょう。場合によっては、委託することでより多くの必要経費がかかる可能性もあります。倉庫の契約がローンなのか賃貸なのか、また人件費などの経費をトータルで考えることが大切です。
人員過多になってしまった場合、人員の再配備や人員整理が必要になるかもしれません。
物流状況を社内で把握しづらい
アウトソーシングした業務に関しては、事前の指示のもと自社ではないところで行われるため、自社で管理していた時と比較すると、物流状況の把握は困難になる可能性があります。
そのため、緊急時やトラブル発生時に迅速に対応できるよう、日頃からこまめな連携が重要になっていきます。アウトソーシングすることによって、管理体制が緩くなる可能性もあるため、前もってトラブルが起きた際は確認をしておきましょう。
自社に合ったアウトソーシング先の選定が難しい
アウトソーシングする業者によっては、委託できる業務内容が限られている場合もあります。扱っている商品や、種類、得意としている分野などは倉庫によって様々なので、自社商品との相性は良いのか事前の確認が必須です。
業者と連絡を取る際には、見積もりの依頼だけではなく、可能な限り担当者から詳しく話を聞いてみるのも良いでしょう。
EC物流をアウトソーシングする企業の選び方のポイントとしては、各工程にかかる費用が実績などが挙げられます。EC物流の代行については、こちらのページでも詳しく解説しているので、チェックしておきましょう。
合わせて読みたい
EC物流代行サービスを選ぶポイント紹介!EC事業者が抱える課題とは柔軟な対応が難しい場合も
物流業務をアウトソーシングすることによって、自社で業務を行っていたときにはスムーズに対応できていたサービスの対応が難しくなる場合があります。
物流業者の業務外であったり、対応不可であったりすることで、追加料金発生のリスクもあり、最悪の場合トラブルの発生につながりかねません。運用が始まるまでに、事前に細かな業務内容のすり合わせを行い、認識を揃えておきましょう。
EC物流のアウトソーシングまとめ
EC物流のアウトソーシングによって、物流業務の効率化やコスト削減が可能になります。特に、出荷量の増減に対してより柔軟に対応ができるのは大きなメリットでしょう。
ただし、アウトソーシング先の選定は慎重に行わなければなりません。自社の目的に見合うアウトソーシング先でなければ、無駄な経費が発生し、委託前よりもコストがかかってしまう恐れもあります。また、代行業者との密接な連携も重要になるでしょう。
浜松委托運送は、日本の中心である静岡県浜松市に倉庫を構えており、全国に対して短時間での出荷や配送が可能です。また、独自の物流管理システムにより高品質な物流を提供しています。EC物流のアウトソーシングを検討している事業者様は、ぜひご依頼ください。
この記事は執筆された時点での情報を元に記載されております。文書・写真・イラスト・リンク等の情報については、慎重に管理しておりますが、閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。記載内容や権利(写真・イラスト)に関するお問合せ等はこちら