ワインはぶどうを原料としたアルコールです。フランスをはじめとした外国産、さらには山梨県などの国産ワインも近年は人気を集めています。また、関税の見直しや国内需要の高まりを背景に欧米諸国からの輸入量は増加傾向にあります。
実際にワインを倉庫で保管する際は、どのようなことに注意すると良いのでしょうか。本記事では、ワインを倉庫で保管するときの条件や注意点について解説します。ワインの流通を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ワイン保管を行う倉庫の条件
ワインを倉庫で保管するときは、具体的にどのような条件を整えれば良いのでしょうか。ワインを正しく保管するために考慮するべきポイントは5つあります。
品質に関する条件
ここからは、ワインの品質を維持するために配慮するべきポイントについて解説します。具体的には下記に示しました5点について解説します。
- 温度
- 湿度
- 紫外線
- 振動
- におい
年間を通して13〜15℃の環境
酒類全般に言えることですが、特にワインは13~15℃の温度を保った環境で保管することが求められています。日本の夏のように、高温多湿下でのワインの保管は劣化が進行してしまうため厳禁です。
また、急激な温度変化にも注意が必要で、輸送する際にも13~15℃の温度を維持できるように配慮しなければなりません。
65〜80%前後の湿度を保っている
ワインの瓶はコルクで栓がされています。このコルクから微量の空気を通過させることでボトル内のワインを酸化させゆっくりと熟成させていきます。ですが、コルクが乾燥してしまうとコルク自体が収縮して瓶の中に多くの空気が入ってしまうのです。
これにより、ワインの酸化が極度に進んでしまい、品質は低下します。コルクが乾燥しないよう一定の湿度を保つことも重要で、ワインの保管には湿度70%前後が理想とされています。
常に暗く
ワインのボトルに茶色や緑色のものが多いのは、紫外線によるワインの劣化を防ぐためです。ワイン貯蔵庫は暗い場所に設置されることが多いのですが、これは直射日光だけではなくLED照明や白熱灯もワインにとっては好ましくないとされているからです。
ですから、ワインを保管する際は使用する照明の種類や配置にも十分注意しなければなりません。
振動・異臭をなくす
ワインにとっては流通過程で発生する振動も品質を劣化させる要因の一つです。レストランなどでは輸送されてきたワインを1週間ほど寝かせてからお客様に提供する店舗も多いのです。
ワインはコルクを通して匂いが吸着しやすいので、強い匂いを放つものの近くには置かないようにしましょう。貯蔵庫を新鮮に保ち、匂いを軽減するために定期的な手入れが必要です。
ワイン物流がワンストップで対応可能
日本のワイン市場は、輸入関税引き下げや健康志向の高まりとともに、今後さらなる需要拡大が見込まれています。国内では高級ワインの輸入から定温管理、配送までを一括受託する専用拠点を開設し、ワインの物流プラットフォームの構築が求められます。
特に高級ワインはより厳密な管理が求められるため、品質劣化を避けるため、外気に触れさせないような徹底した管理が重要です。
ワインの物流について詳しくはこちらをご覧ください
ワインの物流に適した倉庫とは?起こりうる問題についても確認しよう
ワインを保管する倉庫を選ぶポイント
ワインは流通過程のあらゆる場面において、非常に繊細な取り扱いを求められる商品です。自社で扱うにせよ外注するにせよ、押さえておきたいポイントについて解説します。
自社に必要なサービスの取り扱いがあるか
ワインを取り扱う上で、重要なポイントがあります。
- 24時間365日、確実に温度が保たれるよう万全の管理体制が整っているか
- 万が一の設備故障や停電など、トラブルが起きた際のバックアップ体制は整っているか
どのような事業においても不測の事態は発生します。不測の事態への対応はどうなっているのか、自社で流通させる場合でも、外注業者に任せる場合でもバックアップ体制の確認は日頃から行うことが大切です。
セキュリティ対策
近年では倉庫内で使用する機器類をネットワークに繋げる現場が増えてきました。システム化が進むことは便利になりますが、その反面、ウイルスや遠隔操作などの脅威に晒される危険性も高まります。
併せて、従業員にはセキュリティの必要性を理解してもらいつつ、意識を高く持ってもらうことも大切です。万が一、トラブルが発生することもあるでしょう。被害を最小限に抑えるために対処法を共有することも必要です。
外国貨物として受け入れが可能か
ワイン倉庫が保税蔵置場となっていて外国貨物の受け入れが可能かどうかを確認しておく必要があります。保税蔵置場は輸入許可を受ける前の貨物(外国貨物)を保管できる点が最大のメリットです。
保税蔵置場であれば関税や消費税がかからず倉庫資金を圧縮できます。例えば、ワインの輸入販売をしている場合、国内の販売状況に応じて輸入許可を取得できます。それにより、過大な在庫を抱えることなく数の調整が可能です。
まとめ
以上、ワインを保管するときの保管条件や注意点について解説しました。ワインは酒類の中でも輸送や保管に繊細な配慮が求められます。とりわけ、温度や湿度を適切に保つこと、光を適切に遮断することはとても重要です。
ワインの預かりを行なっている倉庫業者は多数ありますし、飲食店のワインセラーやワイン専用トランクルームを持っている人もいます。自社の業務に見合った業者を選んでみてください。
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