インターネットの普及も手伝い、近年さまざまなビジネスシーンでのグローバル化が進んでいます。
国内における商品の生産・販売だけでなく、海外から商品を仕入れて、国内で販売することも当たり前になりました。
そこで欠かせないのが、輸入手続きを終えていない国外からの貨物を一時的に保管する「保税倉庫」の存在です。
この記事では、保税倉庫への搬入・出庫の流れや、搬入から商品が届くまでの所要日数について解説します。
目次
保税倉庫へ搬入から届くまでの流れ
保税倉庫を利用するには、いくつかの手続きを行う必要があります。通関前の貨物を出庫すると、密輸入を疑われ処罰される可能性があるので注意しましょう。
ここからは保税倉庫を利用する際の流れを、4つのステップに分けて見ていきます。
Step1.搬入
保税倉庫は貨物に課される関税や消費税が一時的に留保される区域であり、ここにある輸入商品は通関手続きが終了するまで「外国貨物」という扱いです。
顧客から依頼を受けた保税倉庫側が貨物を引き受け、貨物の取卸手続きを経て保税倉庫への搬入が始まります。貨物の取卸手続きを行うには、外国貨物仮陸揚の届出が必要です。
この届出は、外国貿易船の船長または外国貿易機の機長、機長の代理人、船舶または航空機の所有者もしくは管理者、あるいはその代理人も行うことができます。
手続きは外国貨物の陸揚げ前までに完了させなければなりません。なお、届出にかかる手数料は無料です。
保税倉庫へ搬入について詳しくはこちらをご覧ください。
Step2.他法令手続きに関する検査
保税倉庫内で、法令違反をしている貨物がないかチェックする「他法令手続きに関する検査」を行います。
他法令とは、関税に関連する法令(関税法・関税定率法・関税暫定措置法)以外の法律で、輸入または輸出に関する許可や承認などについて取り決めたものです。
他法令の項目は多種多様で、所管する省庁もそれぞれ違うため、許可・承認を受けるまで時間を要する場合もあります。
特に、輸入関係の他法令のなかには、植物検疫法をはじめとする外国政府機関などの証明書の取得が必要なものもあるため注意しなければなりません。
過去には、この他法令をおろそかにしたため輸出国側にシップバック(再輸出)や全量廃棄の命令が出されたこともあります。輸入品を扱う方にとって、他法令への理解は非常に重要と言えるでしょう。
Step3.輸入申告
輸入申告は、原則として保税倉庫へ搬入されたあとに行います。
貨物が到着すると輸入者に対して貨物が到着した旨を伝える「到着通知(Arrival Notice)」が発行され、その後、輸入者は必要な書類を準備して、保税倉庫を管轄する税関官署へ輸入申告するという流れです。
一般的な申告は書面で行わなければなりませんが、旅具通関の場合は口頭でもよい場合があります。
輸入申告に必要となる主な書類は以下の通りです。
- 仕入書(商業送り状/インボイス)
- 運賃明細書
- 保険料明細書
- 包装明細書(パッキングリスト)
- 船荷証券または海上運送状
また、貨物の種類によってはこれらも必要になります。
- 他法令の許可書、証明書
- 原産地証明書
- 減免税明細書
不足のないよう準備を行いましょう。
Step4.輸入許可と出庫
輸入申告の審査で特に問題がなければ、輸入許可通知書が発行されます。
輸入許可通知書は輸入品の名目をはじめ数量、価格、消費税などが記載された書類であり、出庫後に配送業者へ貨物の輸送を依頼するときにも必要です。
これを受け取ったあと、輸入者は課せられた関税を払って、税関の輸入許可を待ちます。
税関の検査が必要な貨物については、定められた検査を通過したあと、関税や内国消費税および地方消費税を支払う必要があるでしょう。この場合は、税金を納付したあとで輸入の許可を得る形になります。
こうして輸入許可を受けた貨物は外国貨物から「内国貨物」となり、いつでも国内に引き取ることが可能です。
保税倉庫から貨物の出庫もできる状態と言えます。この手順を怠ると密輸扱いになってしまうので十分注意しましょう。
保税倉庫へ搬入から届くまでの所要日数は何日?
海上貨物の場合、一般貨物が日本に到着してから輸入手続き全般を終えるまでにかかる所要日数は、平均2.6日(61.9時間)とされています。
一方、航空貨物の場合は航空機到着から輸入許可が下りるまで平均0.5日(12.3時間)です。
こうして出庫可能となったあと、倉庫事業者が運搬を担うことになります。ただし、事業者の選び方によっては以下のような違いがあるため注意が必要です。
- 保税倉庫を保有しない倉庫事業者の場合
輸入許可後、保税倉庫と倉庫事業者とのあいだで手続きが発生します。この申請期間を要することから、入港~納品まで3日以上かかることもあるでしょう。
- 保税倉庫を完備した倉庫事業者の場合
保税倉庫と倉庫事業者間の手続きを省けるため、入庫までの時間を短縮できます。浜松委托運送の場合、入港から納品までの所要日数は最短2日です。
清水港利用のケースでは、通関業者が清水を地元としているため料金設定が安く、コストカットに繋がります。
グループ会社であるコンテナ輸送会社を利用する場合、さらに早い入庫も可能です。ただし、船便が少なく入港予定がズレてしまう可能性もあるため、あらかじめご相談ください。
まとめ
保税倉庫を利用するメリットとして、安全に輸入貨物を保管できること、そして経費を抑えられることが挙げられます。
保税倉庫は原則として2年間保管が可能であり、そのあいだ関税や消費税などは発生しません。経費を抑える意味でも保税倉庫には利点があります。
浜松委托運送は、静岡県という土地に根差していることから首都圏の保税倉庫と比較してさらに倉庫料金を抑えることが可能です。
さらに、その立地を活かして関東・関西・中部圏など、全国配送を担っている事業者様に対しても安定した納期で対応できます。
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