自社で保税倉庫を所有するために必要な申請とは?

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保税倉庫申請のアイキャッチ画像

保税倉庫とは、外国貨物を保管するため一時的に関税や消費税などの支払いを留保された場所で、保税地域とも呼ばれます。

自社倉庫を、このような保税倉庫として運営したいと考える事業者の方は少なくありません。

自社倉庫を保税倉庫にするには、いくつかの要件を満たしたうえで一定の手続きが必要です。

この記事では、保税倉庫を取得するための条件や申請の流れについて解説します。保税倉庫の所有をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

自社で保税倉庫を運営するために必要な申請

自社の倉庫を保税倉庫にできれば、外国貨物を取り扱えるほか、輸出・輸入の通関手続きも自社の倉庫内で行えます。さらにリードタイムや物流コストを抑えることも可能です。

ただし、保税倉庫を取得するには税関長から認可を受けなければなりません。自社の倉庫を保税倉庫にするための許可要件についてご紹介します。申請手続きに入る前に、まずは条件を満たしているかどうか確認してみましょう。

申請に必要な許可要件

保税倉庫として認可を受けるためには、どんな建物でも良いというわけではありません。運営可能かどうか審査があったうえで、管轄する税関長の許可が必要になります。

これは倉庫業の審査ではなく、あくまで保税倉庫としての審査です。倉庫業については国土交通省の所轄であり、別の手続きが必要になるため気を付けましょう。

保税倉庫の主な許可要件は、以下の4つです。

(1)人的要件

保税蔵置場として運営するために必要な能力があること(記帳や保管業務に関する能力、法令の知識など)

(2)場所的要件

所轄する税務署から原則25km以内、交通整備がされている場合はおよそ100km以内であること

(3)施設的要件

貨物を安全かつ適切に保管できる施設であること(フェンス設置、施錠など)

(4)量的要件

一定量以上の貨物の取り扱いが見込めること

審査では、これらを満たしているかどうかが重要視されます。

申請に必要な書類

保税倉庫を新規で申請するには、税関が配布している保税蔵置許可申請書に加え、いくつかの資料の添付が必要になります。

保税蔵置場の許可申請書類例

画像引用:保税蔵置場等の許可申請について|税関

業務委託契約書や土地・建物の賃貸借契約書の写しなど、該当する契約がある場合には別途書類が必要になる可能性もあります。あらかじめ税関に確認しておくと安心でしょう。

保税倉庫について詳しくはこちらをご覧ください。

保税倉庫とは?搬入から出荷までの流れやメリット・デメリットを紹介

保税倉庫の許可申請の流れ

保税蔵置場許可申請書を税関へ提出する前に、許可申請のため必要なステップが2つあります。保税倉庫の許可申請の流れを、工程ごとに見てみましょう。

申請の申出・相談

保税蔵置場の認可を新規で受けたい場合は、申請予定地の所在地を管理している税関官署の保税担当部⾨へあらかじめ相談します。

相談内容は、保税倉庫の設置予定の場所、輸出入別の取り扱い品目や数量、保税業務経験の有無などです。

税関とのヒアリング

新規許可を受けたい内容について、税関から聞き取り調査が行われます。

施設設備や貨物の管理能力、役員・従業員の関税法令の理解度の深さなどについて質問を受け、運営体制が整っているかを確認されるでしょう。

許可申請書類の提出

聞き取り内容に問題がなければ、倉庫としたい所在地を担当する税関官署の保税担当部⾨へ、新規許可申請関係書類の提出をして完了です。

なお上記の流れは一例であり、申請内容や状況に応じて異なる場合もあります。保税担当部門とよく話をしておきましょう。

保税倉庫の申請をする際の注意点

保税蔵置場を運営するには、毎月税関に手数料の支払い義務が発生すること、また万が一外国貨物をなくした(亡失)場合には、その貨物に対する関税などの支払い義務があることを認識しておかなければなりません。

保税倉庫を運営するうえで抱えることになる懸念点やルールについて説明します。

(1)保税地域手数料が毎月かかる
保税倉庫の所有者は、保税蔵置場の種類や面積に応じ、税関に対して毎月手数料の納付義務があります。
例)500平方m未満は9,500円、500~1,000平方m未満は12,200円

(2)貨物を亡失した場合、関税の納付義務がある
保税蔵置場にある外国貨物を亡失した場合は、保税蔵置場の持ち主が関税の納付義務を負います。

(3)記帳義務
外国貨物の管理は保税倉庫の所有者の責任であり、帳簿に所要事項を記載しなければなりません。

(4)貨物の取扱
保税蔵置場である場合、蔵置する貨物に対して以下の作業ができる必要があります。

  • 内容の点検、仕分け、改装など
  • 見本の展示、簡単な加工など(税関長の要許可)

保税倉庫の運営によって得られるメリットだけでなく、上記もふまえたうえで申請を検討するようにしましょう。

まとめ

新たに保税倉庫を所有するための許可要件や必要書類、大まかな申請の流れについてご紹介しました。

保税倉庫を運営することには、物流コストを抑えられるなどの利点もある反面、保税地域手数料や亡失した場合の関税の納付といったデメリットもあります。

こういったリスクを負わずとも、たとえば入港から出荷までワンストップで行える保税倉庫を利用することで各種コストは削減できるでしょう。

浜松委托運送の自社保税倉庫では、港倉庫から内陸倉庫へ移動させる手間なく、通関から検査、シール貼り、受注代行まで行なっています。コストを抑えられることはもちろん、最短納期での対応が可能です。輸入ビジネスで保税倉庫の利用をお考えの方は、ぜひ浜松委托運送にご相談ください。

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