出荷とは?意味や配送・発送との違いを簡単に解説

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出荷は、物流を支える重要な役割を担っています。しかし、出荷とは具体的にどのような工程を指し、なぜ大切なのかを説明できる方は多くないかもしれません。

出荷の作業工程にはさまざまなものがあり、ときにはミスが起きてしまうこともあります。顧客からの信用を失わないためにも、誤出荷が起きてしまう原因と対策についても確認しておきましょう。各作業工程を正確に理解することで、作業品質の向上に繋がります。

出荷とは

出荷とは、顧客(注文者)からの注文情報をもとに商品を市場に送り出すまでの一連の流れのことです。ただ商品を市場に出せば良いというものではなく、商品を正確かつスムーズに顧客へ届けるための在庫管理や検品なども、出荷における重要な作業に数えられます。

出荷の重要性

出荷作業は、物流を支えるうえでとても大きな役割を果たしています。出荷の工程でミスが発生した場合、商品の破損や遅延を招き、取引先や消費者からの信用を失いかねません。大切な得意先や将来顧客となり得る人々を減らす結果となれば、企業の利益減少にも繋がるでしょう。

例えば誤出荷があった場合、再度配送するためのコストがかかるほか、失った信用を取り戻すためのアフターフォロー対応も必要になります。このことから出荷は、企業の信頼や利益に密接に関わる重要な作業と言っても過言ではありません。

出荷と似た言葉の意味の違い

出荷とは、注文の受注から発送までの一連の作業を指します。さらに理解を深めるため、ここでは物流業界でよく使われる類似用語についても確認してみましょう。「発送」「配送」「集荷」「出庫」それぞれの意味と出荷との違いを比較します。

発送との違い ・梱包された商品を積み込んだトラックが倉庫から出発する工程
・倉庫から商品を取り出した時点で出荷が終了し、トラックが倉庫から出発した時点で発送が終了
配送との違い ・配送業者が品物を顧客のもとへ届ける工程
・発送と配送は同じ意味合いで使われることも多い
集荷との違い ・配送業者が荷主へ訪問して出荷予定の荷物を預かる、または倉庫に入れる商品を集める工程
出庫との違い ・出荷の送り先が顧客や市場であるのに対し、出庫は顧客ではなく倉庫や配送センターへ送る
・上記以外、作業内容は出荷とほぼ同じ

発送との違い

発送とは、梱包された商品を積み込んだトラックが倉庫から出発する工程のみを指す用語です。一方の出荷は、受注やピッキング、検品、梱包など一連の作業を意味しています。また、倉庫から商品を取り出した時点で出荷が完了するのに対し、発送は商品を積んだトラックが倉庫から出発した時点で完了です。

配送との違い

配送とは、配送業者が製品を顧客のもとへ届ける工程のことを言います。商品が発送されると必然的に配送(配達)もされるため、発送と配送はほとんど同義と捉えられるでしょう。物流における流れとしては、出荷・発送・配送という順番です。

集荷との違い

集荷とは、国内のさまざまな場所から商品や物品を一ヵ所に集めること、または倉庫に入れる商品を集める作業のことです。自社で集荷を行っていない場合は、集荷を出荷作業のなかでも発送の一部と考えることもあります。

出庫との違い

出荷との大きな違いは送り先で、出庫は商品を顧客のもとへ届けるのではなく、倉庫や配送センターへ送ることを指します。この点以外、作業内容は出荷とほぼ同様です。出庫の場合、自社の倉庫内にある商品などを配送センターや他の支社に送り届けます。

出荷の作業内容・流れ

出荷の作業内容・流れは一般的に、以下の手順で行われます。

  • 1.受注データの取り込み・出荷登録
  • 2.在庫の引き当て
  • 3.ピッキング
  • 4.検品
  • 5.梱包
  • 6.発送

それぞれの工程について詳しく確認してみましょう。

受注データの取り込み・出荷登録

受注データの取り込み・出荷登録の工程では、消費者から受けた注文票及び受注データを倉庫管理システムへ取り込んで、出荷に向けデータ登録・管理を行います。

在庫の引き当て

在庫の引き当てとは、出荷指示に基づき、倉庫管理システムに登録されている商品の在庫情報を参照して指示された商品を引き当てる(確保する)ことです。

ピッキング

ピッキングとは、リストをもとに出荷予定の商品を倉庫から取り出す作業です。リスト内には必要個数やサイズ、品番など正しく商品を取り出すための情報が記載されています。

検品

検品とは、取り出した商品の個数やサイズ、品番などが正しいか確認する作業のことです。このとき同時に破損や傷の有無もチェックします。

梱包

検品の結果に問題がなければ、指定された箱や包装資材を用いて商品を梱包し、送り状を用意します。状況に応じて注意事項を記したシールなどを貼ることもあるでしょう。

発送

発送とは、梱包された商品を運送業者のトラックに積み込み、倉庫から顧客のもとへ送り出すことです。発送と似た意味で使われる言葉に配送があります。

よくある誤出荷の原因

出荷は作業工程が多いぶん、誤出荷が発生してしまうこともあります。これは多くの場合、それぞれの作業工程を別の担当者が行っていることが原因です。ここでは誤出荷が起こるシチュエーションを5つに分類して解説します。

商品タイプの間違い

商品が合っていても、色やサイズなどを間違えてしまい誤出荷となるのはよくあるケースです。主な原因としては、出荷作業に不慣れな新人スタッフがバーコードや色番号、サイズの表記を読み間違えることなどが考えられます。

商品数の間違い

商品数の間違いも出荷作業のなかで発生しやすいミスと言えます。これは業務が流れ作業になってしまうことで発生しやすい傾向にあり、作業にあたっているのが新人やベテランスタッフに関係なく起こり得ることです。

商品数の品番の間違い

商品の品番を間違えた場合、全く異なる商品を出荷してしまうことになります。このミスが起こる原因としては、ハンドスキャナーなどの機械を使用せず、目視による品番の確認のみで判断したことなどが考えられるでしょう。倉庫内が整理整頓されていない場合にも起こり得るミスです。

同梱物・付属品の入れ忘れ

商品に同梱するはずの付属品を入れ忘れる手違いも起こりやすい傾向にあります。商品と同様に付属品もバーコード管理されておらず、別の場所に保管している場合に発生しやすいと言えるでしょう。同梱物の入れ忘れは潜在的な顧客を失う可能性があるため注意が必要です。

送り先の間違い

送り先の間違いは、送り状の貼り間違いや送り状に記載されている情報に不備があった場合などに発生しやすいミスです。商品の回収、再出荷に余計なコストと時間を要するだけではなく、個人情報の漏洩問題にも発展する可能性があります。

誤出荷の削減のためにできること

誤出荷を減らすためにはいくつかの方法が考えられます。人間が作業をする以上、ミスを完全になくすことは難しいかもしれません。ですが、限りなくゼロに近づける手段はあります。対策として下記の3つの方法について考えてみましょう。

WMSの導入

誤出荷が発生する主な原因に、スタッフの経験不足や商品を取り違えやすい管理体制などが考えられます。WMSを導入することにより作業の簡略化・標準化ができ、作業の属人化を防ぐことが可能です。

また、WMSを導入することで倉庫内のデータがリアルタイムで反映され、在庫状況を素早く把握できるようになります。ただしWNS導入には費用が発生すること、WMSを使用するためのスタッフへの教育に時間を要することも考慮しなければなりません。

>>WMSとは?物流倉庫に導入する際の基礎知識を徹底解説

出荷スペースの確保やロケーション最適化

誤出荷を防ぐためには、出荷スペースの確保やロケーションの最適化がとても重要です。出荷作業のなかでも、ピッキングは特にミスが発生しやすい工程とされています。ピッキングしやすい環境作りは、そのまま誤出荷の削減に繋がるでしょう。

狭い空間での出荷作業は雑になりがちで、商品の取り違えも発生しやすくなります。誤出荷が続いているような現場であれば、倉庫内を整理して出荷スペースを独立させるのも一案です。

検品・チェック体制の確保

出荷作業を完了する前にダブルチェックを行うことも、誤出荷を削減する有効な手段となります。一人では見逃してしまう事柄も二人一組でチェックを行うことで、発送前の不備に気づく可能性が高まるでしょう。

またピッキングを行う際、目視だけではなくハンディスキャナーを用いるという手もあります。数量や品番を機械的にチェックすることは、ヒューマンエラーの削減に大きく貢献するでしょう。

浜松委托運送の出荷体制

浜松委托運送の出荷体制における大きな特徴は、高品質な物流サービスを提供するため、顧客のニーズに合わせた物流システムを自社開発している点にあります。これにより一元管理を行えるようになり、一社ごとに柔軟かつ迅速な対応が可能です。

また、出荷品質や在庫管理品質を高めるため、入荷から出荷まですべての商品にバーコードを利用したチェックを採用しています。商品の検品を素早くできるだけでなく、物流業界でも屈指の99.99%誤出荷なしを実現しました。

さらに浜松委托運送では、倉庫内ロケーションのメンテナンスをルーティン業務のひとつとしています。お客様ごとの出荷状況に合わせて週1回以上ロケーションのメンテナンスを行うことで、現場の作業効率を上げ、常に最適な出荷体制を構築しました。

まとめ

出荷作業の流れや誤出荷の発生する原因、その対策のポイントなどについてご紹介しました。誤出荷をなくすことは、顧客からの信頼を獲得するとともに企業の利益向上にも大きく関わる課題と言えます。

このため現場での課題を正確に把握し、チェック体制の構築やWMS導入などを検討して質の高い出荷作業を行うことが大切です。現在の物流現場を定期的に見直し、顧客から信頼されるよう、ミスを発生させない仕組みを作りましょう。

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