運送業界における「運送」という言葉は、「輸送」「配送」「運輸」などの言葉とどのような違いがあるのでしょうか。どれも似た言葉ですが、運送用語としては明確に区別されています。
本記事では、「運送」の意味や定義を解説したうえで、混同されがちな言葉との違いを紹介していきます。
■この記事でわかること
- 「運送」の意味や定義
- 「輸送」との違い
- 「配送」との違い
- 「運輸」との違い
目次
運送とは?
「運送」とは物流用語の一つです。 ここでは「運送」について、以下の2つの切り口から見ていきましょう。
- 運送の意味・定義
- 運送・輸送・配送・運輸の違い
運送の意味・定義
物流における運送とは、「トラックや自動車を用いて物を目的の場所まで運ぶ」ことを意味します。
飛行機や船舶で運ぶ場合は「運送」とは言いません。物流での運送はあくまでトラックや自動車で運ぶことを指します。
また、運送はしばしば「運輸」と呼ばれることもありますが、運輸には「人と物」を運ぶ意味があります。運送は物を運ぶことを指しますが、人を運ぶことは指しません。物流用語は、このような細かい違いも明確に区別しています。
運送業務とは、工場や倉庫から出荷された製品を納品先まで運ぶ業務のことを指します。トラックが物流の主流である日本では、運送は物流の中核であるといえるでしょう。
運送・輸送・配送・運輸の違い
ここからは、「物流」と、「輸送」「配送」「運輸」の違いを、個別に見ていきましょう。
輸送との違い
物流における輸送とは、「人や物を目的の場所に運ぶ」という意味があります。輸送は「一次輸送」とも呼ばれ、大量の貨物を長距離で拠点から拠点へ移動させる役割を果たしています。例えば、工場から物流センターへ大量の貨物を運ぶことが輸送です。
輸送の方法にはトラックだけではなく、航空機や船舶などの大規模な交通手段も使われます。トラック輸送は「陸送」、航空機での輸送は「空送」、船舶での輸送は「船送」と、輸送手段によって呼び方が変わります。
つまり、「運送」は、「輸送」の中に内包される言葉のひとつです。また、後述する「配送」や「運輸」も輸送に括られる言葉です。
JIS(Japanese Industrial Standardsの略:日本産業規格、以下JIS)では、輸送とは「貨物をトラック,船舶,鉄道車両,航空機,その他の輸送機関によって,ある地点から他の地点へ移動させること。」と定義されています。
引用:
JIS Z 0111:2006 物流用語 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk
配送との違い
物流における配送とは、荷物を配達して届けることです。配送は「二次輸送」とも呼ばれ、一次輸送の長距離輸送とは違い、近距離の小口輸送を担います。例えば、物流センターなどからスーパーやコンビニのほか、直接消費者の手元へ商品を届けることなどが配送にあたります。
また、配送の特徴のひとつとして、拠点から拠点への単純な輸送ではなく、配送は一つの拠点から複数箇所へ商品を運ぶことがあります。輸送手段はトラックがメインですが、近年普及してきたフードデリバリーサービスでは、バイクや自転車での配送も多く見られます。
身近な例としては、ネット通販などで購入した商品がヤマト運輸や佐川急便の営業所から自宅まで届くまでの過程を配送と言います。
JISでは、配送とは「貨物を物流拠点から荷受人へ送り届けること。」と定義されています。最終的に必要とされる場所や人のもとに、ものが届けられる最も身近にみられる物流の形態と言えるでしょう。
引用:
JIS Z 0111:2006 物流用語 | 日本規格協会 JSA Group Webdesk
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運輸との違い
物流における運輸とは「多くの人や貨物を乗り物で運ぶ・移動する」ことを指す言葉です。トラックで物を運ぶ運送も運輸に含まれます。すなわち、航空会社や船会社も大きな意味で「運輸業者」と呼べるでしょう。
運輸は運ぶことだけを指すのではなく、搬入・搬出・仕分けなどの荷役作業や流通加工業務も含まれます。運輸とは個別の契約や行為ではなく、インフラや事業全体を表す言葉で、具体的な行為を表すのが「運送」「輸送」「配送」であると言えます。
運送は、経済活動における物の移動を担う極めて重要なインフラです。少子高齢化によって物を運ぶ担い手が減少する中、今後はドローンや自律走行ロボットなど新たな手段も現実化していくでしょう。
まとめ
この記事では、「運送」の意味や定義を中心に「輸送」「配送」「運輸」との違いについて解説しました。まとめると、以下のようになります。
- 運送:トラックや車を使って物を運ぶこと
- 輸送:陸海空の手段を使って大量に人や物を運ぶこと
- 配送:主にトラックを使って小口の配達を行うこと
- 運輸:運送・輸送・配送を含めた物流全体を表したもの
浜松委托運送はトラック輸送と通運(トラックではなく、鉄道を利用する運送事業)の2つの輸送手段を持っています。輸送する貨物に応じて最適な輸送手段を選べるのが大きな利点です。
時代に対応できる輸送システムを構築するとともに、運ぶ物や荷主企業に対して常にきめ細やかな体制作りを続けております。物流業務に関するお悩みがありましたら、ぜひ一度当社にご相談ください。事業者様のご要望に合わせた提案をさせていただきます。
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