物流倉庫は、自社で所有すると建設費や土地代がかかるため、賃貸で借りる方法がおすすめです。
また、物流倉庫の運用には、倉庫保管料や入庫料・ピッキング料金、検品料、梱包料、配送料などの、各種料金もかかります。
本記事では、物流倉庫の賃料相場と物流倉庫にかかる各種料金について解説します。コストを押さえて物流倉庫を活用したい場合などに参考にして下さい。
■この記事でわかること
- 物流倉庫の賃料相場
- 物流倉庫にかかる各種料金
- 物流倉庫の賃貸契約時の注意点
目次
物流倉庫の賃料相場
物流倉庫の賃料の相場は、倉庫の立地やアクセスのしやすさ、工場をはじめとした近隣の施設など、さまざまな条件に左右されます。
しかし、坪単価が分かれば「坪単価×坪数」の計算式によって、おおよその物流倉庫の賃料(倉庫保管料)を計算ができます。
ここでは物流倉庫の賃料相場をエリアごとに紹介します。
関東圏の物流倉庫の賃料相場
東京都内の坪単価
東京都内の物流倉庫は、中央区や港区など都心部や港が近くなると坪単価が高くなります。これは、交通アクセスの利便性と需要の高さが影響しています。
エリア | 坪単価 |
中央区・港区 | 6,000円~ |
世田谷区・品川区・江東区 | 6,000~7,000円 |
大田区・台東区・墨田区 | 5,500~6,500円 |
荒川区・葛飾区・調布市・三鷹市・府中市・国立市 | 5,000~6,000円 |
八王子市 | 3,500~4,500円 |
神奈川・千葉・埼玉エリアの坪単価
神奈川・千葉・埼玉エリアの物流倉庫は、東京都内に比べて坪単価がやや低めです。都心へのアクセスも良好なエリアも多く、都市部になるほど坪単価が高くなっています。
エリア | 坪単価 |
川崎市・横浜市(神奈川県) |
4,500~6,000円 |
相模原市・大和市・綾瀬市(神奈川県) 習志野市・八千代市・松戸市(千葉県) 川越市・所沢市・上尾市(埼玉県) |
3.500~4,500円 |
伊勢原市・秦野市(神奈川県) 成田市・佐倉市・印西市(千葉県) 久喜市・白岡市・羽生市(埼玉県) |
3,000~4,000円 |
関西圏の物流倉庫の坪単価
関西圏の物流倉庫の坪単価は、地域によって大きく差があります。京都市や兵庫県の神戸宝塚市といった主要都市では坪単価が高くなります。
エリア | 坪単価 |
京都市・長岡京市・久御山町(京都府) 宝塚市(兵庫県) |
5,000~6,000円 |
西宮市・尼崎市・神戸市(兵庫県) | 4,500~5,000円 |
宇治市・八幡市(京都府) 滋賀県全域 |
3,500~4,000円 |
明石市・姫路市(兵庫県) 奈良市(奈良県) 京田辺市(京都府) |
2,500~3,000円 |
三木市(兵庫県) 和歌山県全域 |
1,500~2,000円 |
賃料は高くなりますが、通販物流などの場合は中心地にある倉庫を利用することは、トラック運転手の不足や労働時間規制の問題(2024年問題)を解消するために有効な策にもなります。
物流倉庫にかかる各種料金
物流倉庫は保管や仕分けといったさまざまな業務を行うため、賃料以外にも費用がかかります。どのような金額がかかるのか目安を知っておくと、予算の規模や物流倉庫を選ぶ条件を決めやすいでしょう。
ここでは物流倉庫にかかる料金とその項目について紹介します。
物流倉庫の機能として必要な費用
項目 | 費用相場 |
入庫料・ピッキング料 | 10~30円/個 |
検品料 | 10~100円/個 |
保管料(坪、ケース、㎥) | 4000~7000円/坪 |
梱包料 | 150~300円/個(段ボールの場合) |
配送料 | 400~1,200円 |
物流倉庫の機能として必要な費用は、主に固定費と変動費の2つに分類されます。
1. 固定費
固定費は、物流倉庫の基本的な運営にかかる費用です。主な費用項目は以下の通りです。
・保管料
物品の保管スペースの面積や容量に応じて計算される料金です。単位は物流会社によって坪、ケース、m3など異なります。
・システム料
在庫管理や出荷手続きなどを支援するシステムを運用するために必要な費用です。
・事務手数料
書類作成や各種手続きに関する手数料です。ほかにも輸送業務の調整にかかる費用も含まれる場合があります。
2. 変動費
変動費は、物流倉庫内で何かしらの作業を行う際に発生する費用です。主に以下のような項目が該当します。
・入荷作業料
商品の入庫処理に伴う費用で、商品の搬入や在庫への登録などの作業量も含まれます。
・出荷作業料
商品のピッキングや梱包、出荷手続きといった商品の出庫処理にかかる費用です。
・その他オプション作業料
特定の作業やサービスを利用する際に発生する費用です。たとえば特別な検品作業や梱包作業などが該当します。
また、光熱費などの諸経費は一般的に保管料に含まれますが、季節や状況によっては別途請求されることもあります。たとえば夏季など、冷房や冷凍設備の使用が増える場合は、追加費用が発生する可能性があるでしょう。
変動費のうち梱包費用は梱包資材費の変動により料金の見直しが定期的に行われる場合があります。そうした際に、料金の算出根拠を明確にすることで、公平な取引を行うことができます。なお算出根拠となる情報は公にされているものが望ましいでしょう。
初期費用
物流倉庫の契約を行う際には、初期費用として前家賃と保証金、礼金が必要です。
・前家賃
物流倉庫を利用する前に支払う家賃です。一般的には賃料の1ヶ月分が相場として要求されます。
・保証金
物流倉庫の利用にあたり、倉庫会社に保証として預ける金額です。保証金の額は物流倉庫の規模や契約条件によって異なりますが、家賃の3ヶ月から6ヶ月程度が相場とされています。
・礼金
物流倉庫契約時に支払う家賃以外の費用です。前家賃と同様に、賃料の1ヶ月分が相場とされています。契約内容によっては、礼金を省略する場合もあります。
また、不動産会社を介して物流倉庫を借りる場合、仲介手数料が発生する場合もあります。仲介手数料とは、不動産会社のサービス料として支払われ、物流倉庫の探索や契約手続きを円滑に進めるための費用です。物流倉庫と直接やりとりすることで、費用を抑えられるでしょう。
物流倉庫の賃貸契約時の注意点
ここでは、お金にまつわる内容を中心に、物流倉庫を賃貸契約する際の注意点を紹介します。契約中の対応は、契約内容や物流倉庫会社によって異なるため、契約をする前に必ず確認しておきましょう。
解約時の違約金はかかる?
物流倉庫を契約期間の途中で解約する場合、期間数ヶ月分の保管料が違約金として請求されます。また、中途解約を行う際は、基本的に半年前までに解約の意向を告知する必要があります。
浜松委托運送でも、上記のように中途解約には違約金の支払いが必要となります。違約金の金額や具体的な条件は、契約書や物流倉庫会社ごとに異なるため、確認しておきましょう。
商品が破損したときの補償は?
商品が破損した際の責任は、破損の原因や経緯によって判断されます。たとえば、在庫管理や保管時の取り扱いに問題があった場合は、物流倉庫会社側が補償を負担するケースが一般的です。
ただし、物流倉庫に申告した在庫数と元々の在庫数が異なる場合の補償については、相談のうえで対応を決めるケースもあります。違約金と同様に商品破損時の対応も会社によって異なるのです。
梱包不良や経年劣化による破損といったように、物流倉庫会社側で防ぎようが無い場合は補償対象外となります。不良品発見時の対応については、物流倉庫会社側と事前に決めるようにしましょう。
保証金や礼金の償却の条件は?
保証金や礼金の償却条件は、契約書の内容によって異なります。一般的には、保証金を一括で支払い、契約期間満了時に償却されます。また、契約書上で保証金が「1ヶ月償却」とある場合、1ヶ月分の保証金は返却されません。
浜松委托運送では、保証金や礼金をいただいていないため、償却は行われません。しかし、物流倉庫会社ごとに取り決めは異なるため、他の会社では補償金や礼金の償却が発生する可能性があります。
まとめ
物流倉庫の賃料相場は、都市部に近いほど坪単価が高くなり、必要な費用も契約内容や資材の種類によって異なります。アクセスや立地が悪いとリードタイムが伸び、輸送コストもかさむため、物流倉庫はただ賃料が安ければ良いというものではありません。
浜松委托運送の賃料相場は、全国水準と比較して安価です。また、浜松という中心立地条件を活かして、関東・関西圏への物流アクセスも迅速で短いリードタイムを実現します。
物流倉庫の賃料にお悩みの方は、ぜひ浜松委托運送へお問い合わせください。
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