「チャーター便」は、一般的には航空機やバスなどを貸し切って使うことを指しますが、物流においては特定の荷主がトラックや飛行機をまるまる一台貸し切って荷物を運ぶことをいいます。
本記事では、チャーター便の概要や、メリット・デメリット、料金、活用事例などを紹介します。チャーター便での輸送を検討している方は参考にして下さい。
■この記事でわかること
- チャーター便の意味
- チャーター便のメリット、デメリット
- チャーター便の料金
- チャーター便の活用例
目次
チャーター便とは?
まずは、物流におけるチャーター便の意味を見ていきましょう。「特積み(混載便)」との違いも併せて紹介します。
チャーター便の意味
チャーター便とは、車両や飛行機などを丸1台貸し切って利用することです。例えば、社員旅行や修学旅行などで利用する貸し切りのバスなどもチャーター便です。
物流におけるチャーター便は、特定の荷主が、トラックや飛行機などを丸一台貸し切って輸送や配送を行うことを指します。
浜松委托運送にも、チャーター便については以下のような状況での相談が多く寄せられます。
- 企業に向けて荷物を大量に出荷したり、卸売業に届ける場合
- バラ積み貨物の輸送で困っている事業者
このことから、チャーター便は、中長距離バラ済み貨物の輸送で困っている事業者様に向いている手法といえるでしょう。
チャーター便と特積みの違いは?
種類 | 詳細 |
チャーター便 | ・特定の荷主の商品だけを直接目的地まで運ぶ ・特殊な貨物の積載も可能 ・時間指定ができる |
特積み(混載便) | ・複数の場所を経由しながら輸送する ・積載物や積載量に制限がある ・時間指定はできない |
チャーター便は輸送車両一台に、特定荷主の荷物だけを載せて運びます。依頼を受けた荷主の荷物のみを運ぶため、冷凍品、家畜、壊れやすい美術品など、特殊な対応を必要とする貨物も輸送できますし、目的地への到着日時を指定することも可能です。
特積み(混載便)とは、1台の輸送車両に複数の荷主の荷物を混在させて運ぶ方法です。チャーター便よりもコストが安いですが、複数の目的地を経由するため時間がかかり、詳細な到着日時の指定はできません。宅配便のような小口配送には向いています。
チャーター便を活用するメリット・デメリット
チャーター便は特定荷主の荷物だけを運ぶため、時間や配送ルートを指定できたり、長距離輸送時の負担を軽減できたりする反面、費用負担が大きくなるといった特徴があります。 ここでは、チャーター便のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
チャーター便のメリット
時間やルートの指定ができる
1つ目のメリットは時間や配送ルートの指定ができることです。チャーター便は基本的に一つの荷主のみの荷物を運ぶため、荷主の都合に合わせて配送ルートや到着時間を細かく指定することが可能です。
出発地から目的地までを最短距離で輸送するのでリードタイムの短縮ができ、指定時間に多くの荷物を届けることができます。大量の梱包材を使うこともないため、廃棄物も少なく済むので環境にも優しい手段です。
荷物を大量・安全に輸送できる
2つ目のメリットは大量の荷物を安全に輸送できることです。トラックの荷台を全て利用するため、特積みよりも多くの荷物を積み込むことが可能です。
また、特積み便では運びにくく、破損のリスクがある商品を安全に輸送、配送できることも大きな利点です。特積みでは荷台内での積み替えや仕分けの工程が入るので荷物の紛失や破損させる可能性がありますが、チャーター便は目的地まで直行するので事故のリスクを抑えられます。
破損や損傷のリスクがある荷物の例として、美術品や工芸品などの壊れやすいもの、薬品、肥料、家畜、食品や医薬品などが挙げられます。これらの荷物も、チャーター便なら安全に輸送できます。
長距離輸送時の負担が減る
3つ目のメリットは長距離輸送時の負担が減ることです。タイミングの合う長距離輸送のトラックが見つからない状況でも、JRコンテナのチャーター便を利用することで確実に手配することができます。
JRコンテナの利点は、長距離輸送に強くバラ積みにも対応できることです。近年では、バラ積みのチャーター便に対応してくれる運送会社も少なくなっているのでJRコンテナはありがたい存在といえます。
近郊エリアだけではなく、全国各地に5t単位での配送ができることも特徴のひとつです。
チャーター便のデメリット
チャーター便のデメリットは、輸送費用が割高になりやすいことです。貸し切りなので、高速料金や人件費などすべて荷主が負担しなければなりません。これらの費用を複数の荷主で負担する場合と比較すると、どうしても割高になってしまいます。
また、チャーター便は荷物量に関わらず、トラック1台単位で費用が計算されます。常温と冷蔵のように複数の温度帯がある荷物に対しては、2台以上のトラックを手配することになり割高になるため、しっかりと見積もりを取ったうえで利用する必要があるでしょう。
チャーター便の料金は?
チャーター便の基本料金は、荷物の重量や個数ではなくトラック1台単位で計算されます。
軽トラック、2t車、4t車のように、車両の積載量が増えるに連れて料金が上がっていきます。冷蔵車両やユニック車などの特殊車両をチャーターする場合は、さらに割増料金が請求されるのが一般的です。
チャーター便の料金には、距離制と時間制の2種類あります。距離制は輸送距離が長くなるほど料金が上がり、時間制は4時間、8時間など時間ごとに一定の料金が決まるシステムです。
距離が短い場合は一般的に時間制運賃が適用され、移動距離が一定を超えると距離制運賃に切り替わります。
チャーター便の活用事例
ここからは、チャーター便の活用事例についてご紹介します。以下の事例が発生した場合はチャーター便の利用を検討されてはいかがでしょうか。
- 特殊な荷物を運送する場合
- 荷物の量が多い場合
- 時間を指定したい場合
特殊な荷物を運送する場合
高価な美術品や、動物などの特殊な荷物は、チャーター便の利用がおすすめです。美術品は破損のリスクが大きいため、動物は匂いや健康状態への配慮が必要なため、これらの荷物は特積みでは輸送を断られる場合もあります。
チャーター便であれば、荷物の事情に応じた輸送環境を準備できるため、配慮が必要なものであっても安全に輸送することが可能です。
荷物の量が多い場合
一度に大量の荷物を輸送するときは、チャーター便で一括で荷物を送るほうが安価になる可能性があります。特積みでは、一度に輸送できる量が限られるため荷物の積み下ろしが複数回発生しますが、チャーター便であれば一度に大量の荷物を運べるため、積み下ろしも基本的に一度だけで済みます。
例えば、製品を大ロットで生産している工場や、大量の発注が必要になった小売業者にはチャーター便が向いています。
時間を指定したい場合
到着日時を指定したい場合はチャーター便がおすすめです。特積みでは複数箇所に配達するため、荷主の希望に対応できないことがあります。チャーター便は目的地まで直行するので、自然災害や交通事故などに巻き込まれなければ、ほぼ指定時間での到着が可能です。
また、貸し切った荷主の荷物のみを運ぶチャーター便は、特積みよりも短時間で配送できるため、緊急時の輸送にも適しています。
まとめ
これまで、チャーター便の意味やメリット、デメリットを中心に解説しました。 まとめると以下のようになります。
- チャーター便とは、特定の荷主の荷物をトラック1台を貸し切って輸送する方法
- 到着時間や配送ルートの指定ができる
- 大量の荷物を安全に輸送することができる
- デメリットとしては、一般的な輸送手段よりも割高になりやすい
浜松委托運送は自社でトラック配送サービスを所有しています。JRコンテナを利用したチャーター便の手配や、繁忙期における宅配便会社との協力体制など、独自のトラック運送サービスを行っています。
チャーター便の利用を検討されている方は、浜松委托運送にお気軽にお問い合わせください。
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