梱包とは、荷物や商品を輸送する際に傷がつかないように包む工程です。混同されやすい言葉として包装がありますが、両者は異なる工程で、実際の業務内容も異なります。
梱包と包装の違いを知っておくことで、依頼時のトラブルを防ぎ、正しい方法で対応できるようになります。
この記事では梱包と梱包の違いや梱包の種類、実際の梱包方法などを見ていきましょう。
■この記事でわかること
- 梱包の概要や種類
- 梱包と包装の違い
- 梱包の方法
目次
梱包とは?
梱包(こんぽう)とは、段ボールや発泡スチロールなどの緩衝材を使用して商品を包むこと、または商品を包んだ状態を指します。英語では梱包を”stowage”と表現し、「輸送包装」や「荷造り」とも呼ばれます。
梱包によって商品を包むことで、輸送中の衝撃や雨や埃といった外部要因から守ります。商品を目的地まで安全に輸送するうえで、梱包は必須となる業務です。
また、梱包にはいくつか種類があり、商品の特性や輸送条件、温度に合わせて適切な梱包材の選定が求められます。
梱包作業は単純に商品を包むだけでなく、納品書の装入や指定日シールの貼り付けなども含まれます。そのため、梱包する商品を選ぶピッキング業務との住みわけや、効率的な作業が求められる工程です。
梱包と包装の違いは?
梱包と包装は、商品を包むという点では同じですが、包む目的や意図が異なり、JIS規格でもそれぞれ別に定義されています。梱包は商品の保護や輸送を重視し、段ボールや緩衝材を使って商品を外部から守る役割を果たします。
一方、包装は商品の保護というよりは、見栄えや情報伝達、ブランド価値の向上が主な目的です。場合によっては商品そのものをラッピングして魅力的なパッケージにすることで、消費者の関心を引きつける役割もあります。
包装には、たとえば食品包装や医療用・医薬品包装など、さまざまな分野で活用されています。
梱包の種類
梱包にはいくつか種類があり、商品や配送方法によって最適な梱包方法が異なります。梱包の種類やそれぞれの特徴については、下記の表の通りです。
梱包の種類 | 詳細 |
段ボール梱包 | 商品の形状に合わせた段ボール箱を使用し、商品を包む方法 軽量で汎用性が高いことが特徴 |
木枠梱包 | 木枠を組んで、商品をその内部に固定して輸送する ため、頑丈で破損しにくい |
スチール梱包 | 鋼鉄製のフレームに商品を固定するため、大型の商品や重量物の輸送に適している |
真空梱包 | 商品を真空状態にして空気から遮断することで鮮度を保つ輸送方法で、主に食品などに使用される |
バンドル梱包 | 一定数量の商品をバンドルで束ねて梱包する方法 主に小売業などで用いられる |
パレット梱包 | パレット上に商品を配置してまとめて輸送する方法。一括で運べるため、効率的な積み荷が可能 |
スキッド梱包 | パレットとは異なる構造の資材を用いた梱包方法で、大型・重量物の輸送に適している |
梱包のやり方
商品を安全に運ぶためには、正しい方法で梱包や包装を行う必要があります。また、完成形の写真を使うことで、梱包・包装時のミスが防げるでしょう。
ここでは段ボールを使用した正しい梱包の方法を紹介します。
段ボールを組み立てる
段ボールを組み立てる際は、まず折りたたまれた状態の段ボールを広げ、上側のフラップが外側になるように展開します。
次に段ボールの底部を形成するフラップ同士の境目に、底抜けを防ぐためにガムテープを貼ってください。その際、ガムテープの貼り方によって段ボールの耐久性を高め、中身の安全性を確保することができます。
ガムテープの貼り方には、いくつかの種類がありますが、なかでも「一の字貼り」と「十字貼り」の2種類が一般的です。
・一の字貼り
フラップの境目に沿ってガムテープを一直線に貼る方法です。ガムテープを均一に貼り付けられるため、底を素早く固定するのに効果的です。
・十字貼り
段ボールの底面に十の文字を書くようにガムテープを貼ります。これによって中央部分が強化され、底抜けを防ぎます。
緩衝材を詰める
商品を安全に輸送するためには、緩衝材の使用が不可欠です。緩衝材には、紙や発泡スチロール、エアキャップといったいくつか種類があり、商品の内容や輸送条件に応じて選び方が異なります。
緩衝材を使用する際は、商品を梱包材に収めた後、隙間を詰めるように敷き詰めてください。その際に、なるべく隙間を埋めることで、輸送中の商品の動きや振動を抑えて、損傷を防ぎます。
商品を安全に運送するためには、商品に合った緩衝材や梱包材選びが重要です。
梱包に使える緩衝材
下記の表は物流業界で使われる主な緩衝材の種類と、その特徴をまとめた一覧です。
緩衝材の種類 | 詳細 |
紙 | 環境への負荷が少なく、古新聞や紙を細く切った紙パッキンなど種類も豊富 |
パルプモールド | 古紙やパルプを成形した梱包材で、クッション性と耐荷重性が高い |
発泡スチロール | 軽量で衝撃吸収性に優れ、多様な商品に対応して使用可能 |
生分解性プラスチック | 環境に優しい素材で、発泡スチロールに変わって注目が集まる緩衝材 |
エアフォーム | 空気が入っていて潰れにくく、商品の形状に合わせて適切に調整しやすい |
エアクッション(エアキャップ) | 空気を含んだ袋状の緩衝材 小さくたためて保管しやすいが、空気を入れるための機械が必要なため、コストがかかりやすい |
エアチェイン | 袋状の緩衝材で、チェーンのようにつながっているため、商品を包み込むように保護しやすい |
ポリエチレンシート(ミラーマット) | 防水性があり、特に湿気の多い環境で有効 |
浜松委托運送では、8割ほどの商品に紙の緩衝材を採用しており、ほかにも状況に応じてエアクッション(エアキャップ)を使用しています。最適な緩衝材は商品や輸送方法などによって異なるため、適切に使い分けましょう。
まとめ
梱包は商品の保護と安全な輸送のために欠かせない工程です。一方、包装は商品の見栄えを良くして、商品価値を高めることが主な目的となります。
梱包にはいくつか種類があり、使用する緩衝材もさまざまです。輸送する商品によって最適な梱包方法が異なるため、商品の種類が多ければ、その分手間がかかるでしょう。しかし、専門の業者に依頼すれば、梱包や包装の負担を減らし、最適な方法で商品の保護ができます。
浜松委托運送では高品質な梱包を提供している会社です。包装についても対応していますので、流通加工を外部委託したいと考えている方は、ぜひご相談ください。
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