欠品とは、顧客から発注を受けた数量に対して在庫が足りない状態のことです。欠品が起きると、商品の販売機会を失うため売上につながらないだけでなく、顧客からの信頼を失うなどのデメリットも想定されます。「一度の欠品なら大丈夫」と軽く考えずに、欠品が起こらないような事前対策をとることが大切になるでしょう。
本記事では、欠品の意味や発生した場合のリスク、欠品を防ぐための対策を解説します。これから欠品を起こさないため、また万が一欠品したときにも適切な対応をとるための一助としてみてください。
■この記事でわかること
- 検品によるリスク
- 欠品してしまったときの対処法
- 欠品を防ぐための対策
目次
欠品とはどんな意味?
欠品とは、顧客の発注の数に対して在庫の数が足りない状態を意味し、英語に訳すと「Out of stock」や「stockout」となります。
なお、欠品はその店舗もしくは倉庫の在庫がない状態であり、ほかの店舗であれば在庫がある可能性も考えられるでしょう。よって、一時的に欠品の状態となっても、ほかの店舗から取り寄せることで商品を提供できる可能性があります。
欠品と似た言葉に品切れがありますが、いずれも店頭で商品が販売できない状態という点では同じです。しかし、品切れはほかの店舗も含めて、完全に在庫がない状態のことを表します。
欠品によるリスク
欠品すると販売機会を失うことになるため、結果的に売上減少につながります。特にBtoCの場合、ライバルが多い、代替品が多いといった商品であれば、欠品による販売機会損失の影響はさらに大きくなるでしょう。BtoBの場合は、顧客や取引が減ったり欠品のペナルティが発生したりといったリスクが考えられます。
いずれのケースにおいても、顧客満足度が低下する恐れがあり、今後の売上にもマイナスの影響を与えかねません。また、欠品した際には顧客対応や取り寄せなどのフォローが必要になるため、業務効率が悪くなる可能性もあります。
これらのリスクを避けるためには、欠品した場合でもスムーズに対応できる体制作りを整えるとともに、そもそも欠品させないための対策をとることが大切です。
欠品してしまったときの対応
欠品してしまった場合、顧客との信頼関係を維持するためにも、丁寧かつ迅速な対応が必要になります。まずは、欠品の理由や事実などを伝えてお詫びしましょう。
また、お客様はすぐにでも商品がほしいと考えている可能性があります。具体的な入荷日もしくは入荷時期の目途が立たずキャンセルになる旨を説明し、相手に金銭的損失がないことを伝えてください。代替品がある場合にはそのことも伝えましょう。
欠品は顧客との信頼関係を左右する事態であるため、誠心誠意謝罪してから具体的な状況を伝え、今後欠品が起こらないよう取り組むことが重要になります。
欠品を防ぐための対策
欠品が起きるのは、倉庫内の在庫を適切に管理するための業務環境が整備されていないことが原因として考えられます。欠品を防ぐには、以下3つの対策を取り入れましょう。
- 在庫管理を徹底する
- 需要予測を行う
- 在庫管理システムを導入する
それぞれ詳しく解説します。
在庫管理を徹底する
倉庫内の整理整頓を行う
倉庫内を整理整頓された状態にしておくことで、製品の管理がしやすくなります。製品が規定の場所にあれば必要なタイミングですぐに見つけられるため、在庫管理や発注のミスが減り、欠品もリスクも少なくなるでしょう。
倉庫内を整理整頓するためのスローガンとして、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)があります。5Sを担当スタッフに共有したうえでルールとして徹底すれば、より在庫管理がしやすい倉庫を作ることが可能です。
入出荷検品を徹底する
入荷・出荷時の検品ミスは在庫ずれにつながり、欠品が起きる原因となります。検品ミスが起きてしまう理由の一つが、データの入力ミスなどのヒューマンエラーです。製品一つひとつを人の手だけで管理しようとすると、時間が経つにつれて作業が疎かになると同時に集中力が切れて、ミスにつながりかねません。
対策として、ダブルチェックやハンディターミナルなどを活用することで、欠品の原因になる検品ミスを減らしましょう。
品質管理を徹底する
食品や薬品など、保管環境により製品品質が大きく変わってしまう製品の取り扱いには注意が必要です。温度管理を徹底しなかったことで品質劣化が発生、不良品になり、結果として欠品が発生してしまうといったリスクがあります。
品質が変わりやすい在庫を多く抱えている場合、倉庫設備を充実させることで対策が可能です。例えば、ドッグシェルター・エアカーテンといった温度を一定に保つ装置の導入や、監視カメラやフェンスなど異物混入を防ぐためのセキュリティ強化などがあります。扱っている製品や設備導入にかかる費用面をふまえて、活用を検討してみましょう。
棚卸を定期的に行う
正しい在庫数を把握していない状態で発注してしまうと、ミスが発生し、欠品につながる恐れがあります。発注ミスを防ぐためにも、定期的に棚卸を行うことでより正確な在庫数を把握するようにしましょう。実在庫数とデータ上の在庫数の差異がすぐにわかるようになれば、欠品のリスクも減らせます。
適正在庫を維持する
適正在庫とは、企業が利益を出すうえで最低限必要な在庫のことです。欠品させないことを意識しすぎると、過剰在庫になる可能性があります。在庫が増えすぎてしまうと管理が難しくなるだけでなく、品質の低下による廃棄が起き、販売できずに売上損失が発生するリスクもあるため、安全在庫を重視しましょう。安全在庫とは、欠品を防ぐために設定する在庫の下限です。
季節ものや社会状況によって変化が大きいものは、ほかの商品よりもこまめにチェックを行い、適正な在庫量を維持できるようにしてみてください。
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在庫管理において重要視すべきことや課題については、こちらのぺージでも詳しく解説しています。
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需要予測を行う
正確な需要予測が行えれば、必要なときに必要なぶんだけ供給できるようになります。供給が正しく行われることで、過剰在庫を防ぎつつ欠品も減らせるでしょう。
需要の予測は、過去の販売実績や取引先の傾向といったデータを参考に割り出します。近年ではAIを用いて需要予測を行えるシステムもあるため、必要に応じて活用してみるのも良いでしょう。
在庫管理システムを導入する
在庫管理システム(WMS)を導入することで、在庫状況をリアルタイムで把握できます。人の手による管理では、数え間違いや入力ミスが発生する可能性があり、リアルタイムで在庫状況の確認をすることも難しいでしょう。在庫を正確に把握できていないと、発注ミスにつながり、結果的に欠品が発生しかねません。
在庫管理システムは、バーコードリーダーやRFIDなどを通して商品登録ができるため、在庫管理の正確性が上がります。また、作業効率も同時に向上するなど、欠品を起こさない以外のメリットが期待できる点も魅力です。
在庫管理システムを選ぶ際には、必要な機能が備わっているか、使い方が簡単か、コストパフォーマンスに優れているかなどのポイントを確認しておきましょう。
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まとめ
欠品は顧客満足度が低下する原因になり、売上低下にもつながります。他店舗からの取り寄せや顧客対応などのフォローも必要になることから、業務効率も悪化する恐れがあるでしょう。
欠品を発生させないためには、徹底した在庫管理や需要予測が重要になります。在庫管理システムを導入すればリアルタイムの在庫を確認できるため、複数のチャネルで販売を行っている場合でも適切な在庫管理が可能です。
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