物流における横持ちとは、自社拠点間での輸送を意味します。自社内での輸送は利益を生まないばかりか、費用増加などのデメリットも生じます。
横持ちを減らして物流業務を効率化するには、横持ちが発生する原因を理解し、事前に対策を練ることが重要です。
本記事では、横持ちの意味や発生する原因、改善するための対策を紹介します。横持ちについて詳しく理解したい方、事前に横持ちの発生を防ぎたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
■この記事でわかること
- 横持ちの意味
- 横持ちの発生原因
- 横持ちを改善するための対策
目次
物流における横持ちの意味
物流業界における横持ち作業とは、自社の拠点間で在庫や商品を移動させることをいいます。たとえば、生産工場から物流センターへの在庫の輸送や、店舗間または支店間での商品の移動が、横持ちに該当します。
目的地まで最短距離で輸送できない横持ちには、コスト増加をはじめとするさまざまなデメリットがあるため、予防が必要です。
なお横持ちは、同じ拠点・作業スペース内での貨物移動を指すこともあります。また、同じ建物内の上階と下階など、荷物を上下に移動させる場合は「縦持ち」と呼びます。
横持ちが発生する原因
1つの拠点で商品の生産から出荷作業まですべて行えれば、横持ちはまず発生しません。しかし実際には、物流拠点の規模や機能、キャパシティには制限があり、生産・物流に関連する拠点が分散しているケースは珍しくありません。 横持ちが起きてしまう具体例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 季節による需要変動(出荷波動)による物量の増加に対応しきれず、別の拠点への移動が必要になる場合
- 流通加工、出荷、配送などがもともと別拠点で行われており、それぞれの工程を行うために在庫の移動が必要な場合
- 海外から輸入した際に、港の保税蔵置場から別の倉庫に移動する場合
など
このほか、貨物量や道路幅、交通状況によっては小型トラックなど別の輸送車両への積み替えが必要となり、横持ちが発生するケースもあります。
横持ちの問題点
横持ち輸送の問題点としてまず挙げられるのが、時間的コストの増加です。横持ちが発生すれば、その分輸送に余計な時間がかかります。積み替え作業や荷卸しなどの時間を含めると、1日以上余分に時間がかかってしまうこともあります。
時間的コストの増加は、横持ちにかかる作業時間を事前にスケジュールに組み込むことである程度は防ぐことが可能です。しかし、横持ちは突発的に発生することもあり、具体的な作業時間を見積もるのは難しいといえるでしょう。
横持ちにより輸送の時間が増えれば、トラックドライバーの残業代やガソリン代などもかさみます。金銭的コストの増加も、横持ちの問題点の1つです。
また、輸送に時間がかかれば、それだけ商品が汚れたり、破損したりといったリスクも高くなります。
自社内で輸送する横持ちは利益を生みません。それどころか、上記のとおり時間的にも金銭的にもコストがかかります。やむを得ず横持ちが発生してしまうケースもありますが、できるだけ避けるべき工程といえるでしょう。
横持ちを改善するための対策
上述のとおり、横持ちは時間的および金銭的コストの増加を招くため、できる限り避けるべきです。では、どのような対策を行えば避けられるのでしょうか。
横持ち改善には、以下の3つが効果的です。
- 物流拠点の集約
- 適正在庫の維持
- 在庫管理方法の見直し
それぞれの具体的な方法についてチェックしていきましょう。
物流拠点の集約
横持ちが発生する理由の1つに、物流拠点の分散があります。生産から流通加工、出荷、配送といった一連の作業を1つの拠点で行えれば、横持ちの必要はありません。
すべてを1つの拠点にまとめるのが難しくても、ある程度集約させれば輸送ルートを単純化でき、積み替え作業も減ります。結果として無駄な工数が減り、移動にかかるさまざまなコストを削減できるはずです。
もちろん、集約にあたって一時的にコストはかかります。しかし、長期的にみれば削減できるコストのほうが上回るでしょう。
なお、港の倉庫から国内倉庫までの横持ちは、保税蔵置場と物流倉庫の両方の役目を担っている倉庫を利用することで解決できます。浜松委托運送では保税蔵置場で通関や検査、ラベル貼り、検疫はもちろん配送まで対応できるため、物流業務の効率化が図れます。
適正在庫の維持
余剰在庫は倉庫の容量を圧迫し、物流拠点の増加、ひいては横持ちの発生につながります。横持ちを防ぐためにも、適切な生産計画や入荷数量の推定による、適正在庫の維持は不可欠です。
余剰在庫を防いで適正在庫を維持するには、在庫管理システムの利用がおすすめです。リアルタイムの在庫状況を常に確認でき、在庫を適切な状態で維持しやすくなります。
また、複数車両の運用を管理できる配車管理システムと併用すれば、より効率的な物流の構築が可能です。
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在庫管理方法の見直しも重要です。出荷頻度や加工の有無など、特性が異なる商品を同じ拠点に保管していると、管理が煩雑になり横持ちが発生しやすくなるおそれがあります。
在庫はできるだけ、出荷頻度が高い・少ない、通年または季節ごとの出荷の変化、出荷先のエリアなど、特性が似ているアイテムごとに分類して管理するといいでしょう。拠点内での入出庫作業もスムーズになり、横持ちの予防に役立ちます。
まとめ
横持ちが発生すると、本来は必要ないコストがかかってしまいます。今回紹介した物流拠点の集約や、在庫管理システムによる適正在庫の維持などの改善策を参考に、横持ちを事前に防ぎましょう。
横持ちのほかにも物流業務に課題を感じている場合は、物流業務全体を見直すことも視野に入れてみてください。
浜松委托運送では、入荷から出荷までのワンストップ物流が可能です。保税倉庫もあり、輸出入における対応も一気通貫で対応できるため、ぜひお気軽にご相談ください。
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