不良在庫とは？不良在庫のデメリットや減らす方法を説明

不良在庫とは売れる見込みがなく、経済的な損失になり得る在庫のことです。不良在庫を抱えているとさまざまな影響が発生します。この記事では不良在庫とは何か、不良在庫を抱えるデメリットや、不良在庫を減らすための具体的な方法についてわかりやすく解説します。

■この記事でわかること

不良在庫とは

不良在庫とは、売り上げに計上できる見込みがなく経済的損失になり得る在庫を意味します。不良在庫に該当するのは過剰な生産や仕入れが原因で売れ残った商品や製品、流行遅れや型落ち、賞味期限切れが発生したものです。

不良在庫の定義

不良在庫の定義は、倉庫に残ったまま売れることなく経済的損失になり得る在庫のことです。不良在庫には過剰生産や過剰な仕入れによって売れ残った商品や製品、流行遅れや型落ち、賞味期限切れのものが該当します。その他、不良品や欠陥品なども含まれます。

不良在庫にはさまざまなマイナス面があるため、できる限り発生しないように注意しましょう。マイナス面については「不良在庫を抱えるデメリット」の項で詳しく説明します。

具体的な不良在庫の種類

不良在庫には発生原因によって複数の種類があります。また、不良在庫は状態によって販売できる可能性のあるものと、そうでないものに分類できます。

• 過剰生産によって在庫過多になってしまったもの
• 仕入れが原因で売れ残った商品・製品
• 流行遅れや型落ちしたもの
• 賞味期限切れのもの

蜂巣 稔

販売できる可能性がある不良在庫は、機会を逃さないように速やかな対応が必要です。
特に季節品や賞味期限があるものは販売できる期間が限られます。

不良在庫を抱えるデメリット

不良在庫には様々なマイナス面があります。本来であれば利益を生み出す商品が、不良在庫になることで企業の利益を食いつぶしてしまうのです。

不良在庫が発生すると、無駄な管理費用がかさみます。不良在庫を管理するために、人件費や光熱費、余分な保管スペースなどの新たなリソースが必要になるためです。また、不良在庫を廃棄する際も、廃棄業者への輸送費用や廃棄コストが発生します。

また、不良在庫の品質が悪化した場合、他の商品へも影響する可能性があります。食品の場合、腐敗によって正常な商品に影響を与えることもありえます。不良在庫の商品そのものも、長期間の保管で外装にダメージが発生したりします。

蜂巣 稔

不良在庫によって発生するコストは、本来不要なコストです。可視化できる金銭的コストのみならず、不良在庫に対して投下される人的リソース、時間、業務負荷もコストになります。

不良在庫を処分する方法

不良在庫の処分は商品の状態に応じて方法が異なります。不良在庫を処分する際には、該当する不良在庫が再販売できるかどうかで判断しましょう。

商品の品質が劣化しているか、賞味期限が切れて商品価値や販売価値がない不良在庫は廃棄します。

品質に問題がなく、賞味期限までに猶予があるなど法令上も問題がない場合は値引きやパッケージの変更などを行います。顧客の商品購入意欲を高めるようなデザインや販売方法に変更してみましょう。

不良在庫を減らすための対策

不良在庫を削減するためにはいくつかの対策があります。以下の方法について各々説明します。

• 適正在庫をキープする
• 在庫回転率を計算する（在庫回転率を高める）
• 在庫管理システムを導入する

適正在庫をキープする

不良在庫を発生させないためには適正在庫をキープすることが大切です。

適正在庫を維持するためには、需要予測の最適化と発注量の調整の二種類の考え方があります。需要がどの程度予想されるのか、発注時期や発注量は適切であるかどうかの精度を高めることで過剰在庫の発生自体を防げます。

適正在庫をキープできていれば、在庫の廃棄や値引きのリスクも軽減できます。加えて余計なオペレーションや管理コストの発生も防げるでしょう。

在庫回転率を計算する

在庫回転率を算出すると在庫の状況を可視化できるため、不良在庫の把握につながります。

在庫回転率とは、一定期間内に在庫が販売される回数（平均値）のことです。在庫回転率の計算式は以下のとおり。

（一定期間の売上原価）÷（一定期間の平均在庫金額）＝在庫回転率

在庫回転率が高ければ仕入れた在庫がすぐに売れていると判断できます。また、低ければ仕入れた在庫が売れていない可能性があります。

不良在庫は入庫してから動きがなく、長期間にわたって倉庫に保管されていることで発生します。在庫回転率の数値が低い場合、在庫が不良在庫を含んでいる、あるいは今後不良在庫に変化する可能性が高くなります。

そのため、適正な需要予測と発注を行い、在庫回転率が高まるように工夫していきましょう。

蜂巣 稔

不良在庫を削減するためには、眼前の在庫状況のみならず、サプライチェーンの上流に改善点がないか意識することが必要です。

在庫管理システムを導入する

上述のとおり、不良在庫を抱えないようにするためには、適正在庫の維持が大切です。

しかし、在庫を管理する方法が属人的でアナログなままだと、ミスが発生したり時間的なコストがかかったりと難しいことがあります。在庫管理システム（WMS）を導入して、精度が高い在庫管理を行うのが良いでしょう。

在庫管理システムを利用すると、在庫の状態や入出庫の履歴などをデジタルで可視化できます。また、データの入力にハンディターミナルを活用すれば、正確な入出庫オペレーションや検品、棚卸しが実現可能です。

浜松委托運送では、独自設計のWMSを利用することで、精度の高い在庫管理を行い、不良在庫の発生を防いでいます。

まとめ

不良在庫は、売り上げる見込みがなく、経済的な損失につながる可能性がある在庫です。

そのため、不良在庫をそのままにしておくことは大きなデメリットがあり、不良在庫を削減することは健全な物流オペレーションと事業運営に貢献します。

不良在庫を削減するためには発注量や需要の正確な予測や、在庫回転率の計算など、物流のノウハウと経験値が必要です。

浜松委托運送では、独自のWMSやノウハウを用いて、高品質な物流を実現します。不良在庫のお悩みがある場合には、ぜひお気軽に相談ください。