物流業界でよく耳にする「梱包」と「包装」という2つの言葉ですが、それぞれどのような違いがあるのかご存じでしょうか。どちらも商品などの物を包むことを意味しているものの、厳密には異なる意味です。物流においては、商品を無事に届けて顧客満足度を上げるためにも、包む物に適した梱包・包装を選ぶことが大切です。
本記事では、梱包と包装の定義や目的、使用される資材の違いについて解説します。物流用語に関する理解を深めたい方は、参考にしてみてください。
■この記事でわかること
- 梱包と包装の違い
- 物流における梱包・包装の重要性
目次
梱包と包装の違い
定義の違い
包装は商品を包むことを意味しているのに対し、梱包は保管・輸送のために商品を包むことを意味しています。つまり、包装という大きな括りのなかに梱包が含まれているといえるでしょう。
なお、包装は商品を消費者に販売するため商品そのものに施す「商業包装」と、商品の保管・輸送を目的とした「工業包装」の2つに分かれます。このうち、工業包装にあたるのが梱包です。
さらに梱包は、「外装」「内装」「個装」の3つに区分されています。商品の状態を保って保管・輸送するために、落下や振動による衝撃を防いだり、湿気や匂いから保護したりといった役割を持つのが梱包です。
日本産業規格(JIS)による梱包と包装の定義は、以下のようになっています。
■梱包
荷造りと呼ぶこともある。
■包装
梱包とは何かをより具体的に知りたい方は、以下のページもご参照ください。
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梱包とは?包装との違いや梱包の意味を解説目的の違い
梱包は物品が壊れないようにすることが目的ですが、包装は商品の価値を維持することや、魅力的に飾ることが主な目的です。
梱包は上述のとおり、落下などによるダメージや湿気から保護し、商品の状態を保って保管・輸送するために施されます。一方で包装は、商品の状態を保つことに加えて、ラッピングして包むことで商品をより魅力的にするために施されるものです。
このように梱包と包装では目的が違うことから、使用される場面や資材も異なります。
資材の違い
梱包や包装で使われる資材には、以下のような違いがあります。
梱包 | 包装 |
---|---|
・段ボール ・発泡スチロール ・スチール ・パレット など |
・紙パック(例:ジュース) ・ペットボトル ・MA包装(例:もやし) ・パウチ(例:レトルトカレー) など |
梱包では、安価で強度のある段ボールや、荷物を固定しやすい発泡スチロールなどの緩衝材が使用されるのが一般的です。包装材としては、ジュースなどに使われる紙パックや、青果物を長期保存しやすいMA包装などがあり、デザインにこだわりながら、衛生面と鮮度の保持にも役立つ資材が使用されています。
物流では製品に適した包装・梱包を行うことが大切
包装・梱包には以下のような役割があり、違いを理解したうえで適切に施せば、企業の信頼性向上や売上・リピート率のアップ、コスト削減などが期待できます。
- 商品の保護
- 輸送時や陳列時の作業の効率化
- 消費者にとっての利便性
- 情報の伝達(商品の中身のアピール)
例えば、商品の保護がよく考えられた包装(梱包)では、廃棄量や返品・交換数の減少、それに伴う物流コストの削減につながるでしょう。ほかにも、開封しやすい包装は消費者にとっても使いやすく、リピート率の向上が期待できます。高評価の口コミが広がり商品の認知度が上がることで、売上アップも期待できるかもしれません。
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梱包と包装では定義や目的に違いがあり、包装という大きな枠のなかに梱包が含まれるイメージです。どちらも物を包むことを指していますが、商品を魅力的に飾るための包装と、商品を破損させないための梱包では、使用する素材も異なります。
最適な梱包・包装を行うことで、顧客満足度や企業の信頼性向上などにもつながるため、それぞれの違いを理解しておきましょう。
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