物流における4PLとは?3PLとの違いや活用するメリットを解説

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輸送や保管、荷役といった物流業務をさまざまなノウハウを持つ物流企業に委託することで、コスト削減と業務効率化が図れます。こうした物流業務のアウトソーシングを3PLといいますが、近年さらに4PLと呼ばれる物流形態が注目を浴びるようになりました。4PLは、現場業務の委託にコンサルティング要素などが加わったもので、取り入れることによりサプライチェーン全体の課題解決に役立つでしょう。

本記事では、物流における4PLの意味や3PLとの違い、活用のメリットを解説します。自社の物流業務改善のためにアウトソーシングをお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

■この記事でわかること

  • 4PLの概要や注目されている理由
  • 4PLを利用するメリット
  • 4PLを導入する際のポイント

 

4PLとは

4PLの意味 

4PLとは、3PLにロジスティクス戦略の企画・推進などを行うコンサルティング要素が加わった、新しいビジネスモデルです。豊富な知識と経験のある物流企業が他社をプロデュースし、物流業務の請負だけでなく、サプライチェーン全体の課題解決を目指していきます。

現在4PLは、経済界における物流問題を打開するための鍵になりつつあるソリューションです。現場運営のアウトソーシングをはじめとして、経営方針に基づくロジスティクスの戦略立案までを行うことで、企業のコアな課題も解決に導きます

3PL・5PLとの違い

3PLは、物流業務を第三者である物流企業へ委託する業務形態のことです。端的にいえば「物流企業による物流機能代行サービス」であり、現場業務の代行を中心に提供します。

5PLは、4PLに自動運転やAIなどのテクノロジーが加わったビジネスモデルです。そのため、5PLは複数のサプライチェーンを合わせたサプライネットワークの最適化までを考える手法として採用されています。

3PL 物流企業が他社の物流業務を受託する業務形態
5PL 4PLにAIや自動運転などの最新テクノロジーが加わり、サプライネットワークの最適化を狙うもの


3PLでは、ノウハウを持つ企業に業務を委託することで現場作業の効率化を図りつつ、今まで物流業務に配置していた人員を自社のコア業務にあてられるのが利点です。

一方、5PLは物流業務の委託によって効率化を図るだけでなく、AIや自動運転などテクノロジーの力も利用しながら、企業の企画機能から改善します。このため3PLや4PLと比較すると、より大幅な業務効率化が見込めるでしょう。

4PLが物流業界で注目されている背景

前提として、物流事業の規模拡大は慎重に判断する必要があります。物流業務の効率化を図る3PLのみを拡大すれば良いとも限らず、場合によっては経営やシステム面での課題に直面し、余剰社員・過剰設備になるなどのリスクも懸念されるためです。

一方で、EC通販利用数の増加により物流量は増えており、対応できるように事業の拡大(業務効率化)を考えなければなりません。こうした状況下で、3PLからさらに発展した4PLのビジネスモデルが役に立つとされています。

4PLとは、3PLに物流コンサルティングビジネスが加わったもので、委託先の物流企業が自社のノウハウを別の物流企業に伝授するサービスです。間接的に荷主企業の物流プロデュースを行えるため、3PLによる拡大だけでは行き届かない課題解決にも寄与します

4PLを利用するメリット

4PLを利用するメリットとして、大きく以下3つが挙げられます。

  • サプライチェーン全体の可視化
  • 物流コストの削減につながる
  • 適切な人員配置ができる

順に詳しく見てみましょう。

サプライチェーン全体の可視化

4PLでは、さまざまな物流KPIを用いて業務フローやコストの可視化を進めるため、潜在課題の発見につながります。KPIは重要業績評価指標とも呼ばれ、指標を設定して達成度合いを管理することで、企業全体で改善すべき課題の発見が可能です。

また、業務フローを可視化することにより、スタッフの経験をもとに行われていた属人的な作業の洗い出しができます。非効率な業務があれば文書に落とし込み、新たなルールを策定してスタッフに共有できるため、業務の無駄がなくなりコスト削減につながるでしょう。

物流コストの削減につながる

上述したとおり、4PLでは物流部門のアウトソーシングが可能です。アウトソーシングによってコストが変動費化されるため、物流にかかるコストを最適化できる場合があります

例えば、事業拡大には新規の設備投資が必要になるケースもありますが、アウトソーシングをするのであれば、自社での設備導入は不要です。一から設備を揃えるとなると、大幅なコストがかかるうえに、スペースの確保もしなくてはなりません。

また、さまざまなノウハウを持った物流企業に委託することで、適正在庫の管理にもつながり、余剰在庫を削減できます。さらに、在庫量が最適化されることで品質と生産性が向上し、結果として人件費や管理費などのコスト削減にも貢献するでしょう。

適切な人員配置ができる

アウトソーシングによって物流部門の業務負荷を削減できるため、本業の成長分野に必要な人材を適切に再配置できます。例えば経営戦略や企画、専門的な業務などは経験と知識が必要であり、事業目的を果たすためにも適切な人員配置が求められるでしょう。

アウトソーシングによって、こうしたコア業務に適切な人員を適切な人数配置することで、事業目標の達成や安定性向上などの効果が期待できます。また、それらの人員の知識や経験に頼りきりになるのではなく、専門的な業務を新人でも取り組めるような仕組みを作るため、委託先から助言を受けることも可能です。

4PLを導入する際のポイント

4PLは、社内や協力会社との調整が必要な領域のほか、顧客側でのみ実現可能な領域も存在します。このため自社が何に課題を感じていて、どこまでコンサルティングを依頼したいのか明確にしたうえで、4PLサービスを提供している企業との連携を図ることが大切です。

明確な目的を持つ

4PLを導入する前に、目的を明確にしておく必要があります。目的が曖昧なままだと、課題の可視化が難しくなり、導入によるメリットが薄れてしまうためです。物流業務に関する細かい施策を打ちたいのか、在庫管理全体のコンサルティングが必要なのかなど、会社によって課題は異なります。まずは自社の課題を明らかにしておきましょう。

また、委託先によって導入しているシステムや得意分野にも違いがあるため、自社の課題を把握することで適切な委託先を選ぶ際の判断軸にもなります

費用対効果を意識すること

4PLのメリットとして業務品質の向上やコスト削減が挙げられますが、導入によって課題を解決できるのかが何より重要になります。自社のニーズと、費用に対して受けられるサービスが見合っているのかどうかをあらかじめ検討しておきましょう

具体的な目的があって4PLを導入したにも関わらず、特に課題を感じていなかった業務を委託することで、思いがけずコスト増加につながってしまう可能性もあります。委託先となる物流企業と契約する際には、料金のみを意識するのではなく、自社の課題解決ができるのかを軸に費用対効果を考えることが大切です。

アウトソーシング先を精査すること

4PLのサービス提供企業は、それぞれに強みとする領域が異なるため、委託先の精査が必要になります。物流業界でノウハウを積んだ4PL企業と、商社からスタートした4PL企業では、得意分野が明確に異なるものです。

自社に適した委託先を見つけるには、上記で触れたように、4PLを導入する目的や解決したい課題を軸に企業を選定すると良いでしょう。また、実際に提供するサービス以外にもサポート体制が充実しているのか、提案力が十分にあるのかなども確認しておけるとベストです。

浜松委托運送では、独自のWMS(倉庫管理システム)を強みに、お客様のニーズに合わせた物流フローを構築することで物流の最適化を図っています。

まとめ

4PLは、物流の現場業務の委託を主軸とした3PLに、ロジスティクス戦略やコンサルティング要素が追加されたものです。3PLで事業拡大を図ることもできますが、実務を委託するのみだとノウハウが蓄積されにくく、さらに余剰社員や過剰設備といったリスクにもつながります。

これに対し、コンサルティングを追加した4PLでは、3PLによるリスクを軽減しながらサプライチェーン全体の課題を解決へと導けるのがメリットです。4PLを導入する際は、解決したい課題や費用対効果を意識して、得意分野がマッチする委託先を判断しましょう

浜松委托運送では、物流倉庫業務をお任せいただけるのはもちろんのこと、自社の保税倉庫を保持しており、輸出入の対応もスムーズに行えます。日本の中心地である浜松市に拠点を置いていることから、全国への配送も短納期でご提案可能です。4PLをお考えの方は、ぜひ浜松委托運送へご相談ください。

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