2024年6月末で「あす楽」が終了するとともに、7月から「楽天最強配送」がスタートしました。
楽天市場の中で最高品質の配送サービスである「楽天最強配送」を利用できる商品には、「最強配送ラベル」が付与されるため、購入者に対する配送品質のアピールが可能となります。
しかし、実際にどのようなメリットがあるのか、対応に向けて何をするべきなのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、楽天最強配送が出店者にとって重要な理由やラベルの獲得条件、獲得に向けて対応すべきことについて詳しく解説します。
【この記事で分かること】
- 「楽天最強配送とは何か」を理解できる
- 最強配送ラベルの獲得条件
- 最強配送ラベルの獲得に向けて対応すべきこと
目次
楽天最強配送とは
楽天最強配送は、楽天市場の商品の中で購入者からの様々な配送ニーズに応えている商品が利用できる、最高品質の配送サービスのことです。このサービスを利用できる商品には、認定商品の証として、「最強配送ラベル」が付与されます。
楽天最強配送では、以下のようなサービスが受けられます。「土日祝配送+あす楽+39ショップ」を合わせたようなイメージです。
- 今日注文すると明日届く(平日12時、土日祝9時までの注文)
- お届け日時を選べる(お届け日を表示)
- 3,980円(税込)以上で送料無料
出店者にとってこれまでと大きく異なる点は、1つ目の条件です。
最強配送の対象エリアや、平日12時までの注文で当日配送しなければならない点は、「あす楽」の条件と変わりません。一方で、土日祝の午前9時までの注文の翌日配送分についても当日発送する必要があるため、従来の運営体制では対応が難しい場合もあるでしょう。
送料は、これまでの39ショップと同様に、3,980円以上注文すると無料になります。
購入者側にとって新しい点は、「お届け日時の選択」機能です。楽天最強配送対象商品では、翌日着を希望する場合、注文時に翌日の日付指定を購入者自身で行う必要があります。
購入者が注文時に翌日着指定をしなければ、必ずしも当日に出荷する必要はありません。ただし、土曜日に注文を受けた場合には注意が必要です。たとえ翌日着指定をしていなくても、次の月曜日を着日として指定している場合には、土日のどちらかで出荷しなければなりません。着指定日を確認のうえ、出荷対応が対応が求められます。
楽天最強配送が出店者にとって重要な理由
楽天最強配送の条件を満たし、ラベルを取得することで、出品商品の検索順位やクリック率・転換率の向上が期待できます。これらの実現は、売上拡大に大きく寄与するため、出店者にとっては魅力的なサービスであるといえます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
検索順位が上がる可能性がある
楽天市場の配送ガイドラインにて、最強配送ラベルの取得が検索順位決定のアルゴリズムに含まれていることが公表されています。(リンクはRMSログイン後に閲覧できます。)
特に競合商品が最強配送ラベルを獲得できていない場合、相対的に自社の商品の順位が上がる可能性があります。検索順位の向上は、商品へのアクセス数や売上増加に寄与するため、他店との差別化のためにも、最強配送ラベルの獲得が望ましい状況になるでしょう。
クリック率・転換率の向上が期待できる
最強配送ラベルを獲得することで、検索順位の上昇以外にも商品のクリック率や転換率の上昇も期待できます。
最強配送ラベルの表示は、ユーザーに配送時の安心感や信頼感を与えます。その結果、ラベルを獲得していない店舗の商品と比べて、クリック率や転換率の上昇が見込まれるでしょう。
逆に言えば、最強配送ラベルの取得が当たり前となってきた場合には、ラベルを獲得していない商品のクリック率が著しく低下する可能性もあると言えます。
このような状況を考えると、店舗の信頼性を高め競争力を維持するためにも、最強配送ラベルを獲得するのが望ましいでしょう。
楽天最強配送ラベルの獲得条件
最強配送ラベルを獲得するには、主に楽天SKUへの移行と、配送に関する店舗・商品基準のクリアが必要です。ここでは各条件について詳しくご紹介します。
1.楽天SKUへの移行
最強配送ラベルを獲得するには、「楽天SKU」への移行が必要が必要です。
楽天SKUとは、商品の登録単位を最小の品目数(SKU単位)にするシステムです。2023年4月から開始されたプロジェクトで、楽天市場で運営している店舗であれば順次移行が完了しています。
従来は、同じ商品でもバリエーションごとに違うページで販売していました。しかし、楽天SKUに移行することで、同一商品のカラー違いや、サイズ違いのものも一緒のページに納められるようになりました。これにより、ユーザーが様々な商品を見つけやすくなり、商品ごとの競争力も高めやすくなったのです。
2.配送に関する店舗・商品基準をクリアする
最強配送ラベルを獲得するためには、店舗と商品の配送に関する認定基準を満たす必要があります。この基準は、商品出荷時のRSL(楽天スーパーロジスティクス)の利用有無によって異なります。RSLとは自社で倉庫を持たず、楽天の倉庫から商品を発送する配送サービスです。
具体的には、以下の2つのケースがあります。
- 「最短お届け可能日表示機能」を使って配送(RSL利用なし)
- 「RSLお届け日時表示サービス」を使って配送(RSL利用)
「最短お届け可能日表示機能」を使って配送する場合
「最短お届け可能日表示機能」はRLSを利用せず、自社で配送を行う場合に表示されます。この場合は、店舗基準と商品基準の両方を満たさなくてはなりません。
以下がそれぞれの基準の詳細です。
店舗基準
RSLを利用しない場合の店舗基準は以下の通りです。なお、39ショップの導入も必須条件の1つです。
- 納期遵守率:96%以上
- 6日以内お届け件数比率:80%以上 ※1
- 出荷件数:100件/月以上
- 共通送料込みラインの導入(39ショップ)
※1 クリスマスやバレンタインなどの季節イベントの商品で、6日以内の配送が難しい商品は母数から除外されます。
商品基準
RSLを利用しない場合の商品基準については、以下の2点が求められます。
- 午前の注文:いつでも「翌日お届け」指定可 ※2
- 午後の注文:いつでも「翌々日お届け」指定可 ※3
※2 土日祝日は翌日お届け注文締切り時間を最短午前9時に設定可能です。
※3 年末年始(12/31〜1/3)および月1回の休業日は除きます。
「RSLお届け日時表示サービス」を使って配送(RSL利用)
「RSLお届け日時表示サービス」は、RSLを利用して商品を出荷する場合に表示されます。このサービスを利用する際の店舗・商品基準は以下の通りです。
店舗基準 | 共通送料込みラインの導入(39ショップ) |
商品基準 | 全国どこ宛でもラベルを表示 |
RSLを利用すると、納期遵守率・6日以内のお届け件数比率・出荷件数の3つの条件が免除されます。楽天グループ内の自社の物流サービスを利用するため、このような緩和ができるというわけです。
この仕組みは、AmazonのFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用して配送の信頼性を獲得するシステムと似ているところがあります。
楽天側の意図としては、基準を緩和することでRSLの利用店舗数を増やす狙いもあるでしょう。また、RSLと相性の良いBOSSという受注管理システムを、楽天グループ内の企業が提供しているため、これらのサービス利用を促進する狙いもあると考えられます。
楽天最強配送ラベルの獲得に向けて対応すべきこと
最強配送ラベルを獲得するためには、以下の3点について対応する必要があります。
- 土日祝の受注・発送処理
- 人員の確保
- 受注・発送処理の効率化
それぞれの対応について、詳しく解説します。
土日祝の受注・発送処理
最強配送ラベルを獲得するためには、土日祝の受注発送処理が必要です。しかし、土日祝を休業日としている店舗にとっては、ハードルが高い条件でしょう。
このような課題の解決策の1つに、土日祝の受注・発送処理を外部委託する方法があります。受注から発送まで様々な工程を委託できるため、自社での対応が難しい場合にはぜひ検討してみてください。
人員の確保
土日に業務を行うということは、現状の人員だけでは対応が難しくなる場合もあります。そのため、土日祝に出勤でき、受注・発送処理を担当できるスタッフの確保が必要です。
また、勤務体制の変化により、勤怠管理もこれまでと異なるフローが必要となることもあります。特に、企業の就業規則で毎週日曜日を法定休日にしている場合などでは、就業規則から見直しが必要となり、対応に多大な時間を要する可能性があります。余裕をもって準備を進めましょう。
受注・発送処理の効率化
限られた人数で高品質なサービスを提供するためには、業務の効率化も重要なポイントです。業務効率化には、EC店舗の一元管理システムの導入が最もシンプルな対応策です。
このシステムを導入することで、以下のような効果が期待できます。
- 土日祝に必要な受注処理、発送処理の効率化
- 他モールを含めた商品登録・在庫管理・送り状連携・倉庫連携などの効率化
- 平日の商品管理などに必要な工数の削減でき、リソースの圧迫が緩和する
既に一元管理システムを使用していても、より自社の環境に適したシステムが見つかる可能性もあります。ぜひ視野を広げて探してみてください。
楽天最強配送ラベルを獲得して売上アップを狙おう
楽天最強配送は、楽天市場の商品の中で、購入者からの様々な配送ニーズに応えている商品が利用できる、最高品質の配送サービスのことです。
認定商品に付与される「最強配送ラベル」を取得することで、検索順位上昇やクリック率・転換率の向上が期待できます。このラベルには、商品の競争率を上げる役割もあるのです。
最強配送ラベルは、RSL利用の有無で獲得難易度が大きく変わります。RSLを利用しない場合は、土日祝を含めた配送を外部の物流倉庫業者に委託するのも手です。
委託することで、土日祝でも受注〜配送業務までの工程を任せられ、大幅な業務効率化に繋がる可能性もあります。
浜松委托運送では、楽天最強ラベル獲得に必要な土日祝の受注・配送業務を提供しています。物流倉庫が日本のほぼ中心に位置するため、全国へ短納期・低コストで配送が可能です。また、EC店舗の季節変動やセールに対応する高い出荷波動に強く、EC1店舗で1日3,000件の出荷実績があります。
自社開発の倉庫管理システム(WMS)を利用しており、1社ごとに合わせたカスタマイズで出荷波動を初めとしたさまざまなニーズに対応可能です。最強配送ラベルを獲得したい店舗様は、ぜひ浜松委托運送へご相談ください。
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