通販サイトを運営されている方で、物流コストを減らせないかと常に考えている方は、多いのではないでしょうか。
物流コストといっても、実際にその内訳は様々ですし、コスト過多で悩まれている方も実際にどうすればコスト削減できるのか改善方法がいまいち分からなかったりするのではないでしょうか。
そんなお悩みの方へ向けて、今回は
1:物流コストとは
2:物流コストの種類(内訳)
3:物流コストのコスト削減方法
4:アウトソーシングの可能性
の内容でお伝えしていきたいと思います。
目次
物流コストとは
物流コストとは、商品を購入されたお客様へ届けるまでに発生する過程においてかかる全てのコストのことです。輸送費だけではありません。
物流コストは決算書にも物流コストという勘定科目がないため、どのコストを削減すればよいかの判断が難しいのです。
しかし、商品をお客様に正確にかつ最短でお届けするために物流はとても大切な部門です。一貫してスムーズな物流ができる会社はお客様の信頼も得ることができます。
過去の歴史を振り返りますと、日本企業は物流(ロジスティクス)より営業や販売に力を入れる傾向が多かったのです。一方で外資企業は非常に物流も販売と同じように企業として力を注ぐ傾向にあり、日本国内においても通販マーケットにおけるAmazonをはじめとしたさまざまな分野において外資企業の台頭により日本企業も急速に物流の重要さに気づきだしている傾向を感じます。
それでは、具体的に物流コストの内訳をみていきましょう。
物流コストの種類(内訳)
運送費
ものや荷物を目的地まで運ぶ費用のことです。輸送費用は運ぶ方法によっても色々です。
専属運輸を活用している場合の、宅配業者への運賃・自社便の運賃・航空便の運賃などがあります。海外からですと船で輸入するまでの海上運賃、輸入された港から国内の倉庫までのドレージ運賃、その後倉庫から工場や小売り店、一般消費者までの運賃と一つの商品が販売される過程においてもいくつかの運送費が発生しています。
保管費
保管費用は、商品を保管するスペース、倉庫などの費用・保管した商品の管理費用・倉庫から搬出入する際の出し入れの費用等が含まれます。保管費は、取り扱う商品によって費用が全然異なります。例えば、冷凍保存しなければいけない商品は特別な装置や冷凍した温度でも耐えられる床や断熱材が必要であったり、電気料金がかかったりと保管できる場所が限られる為、どうしても常温の設備が不要の保管費と比較すればコストは高くなります。一方常温保管でき、特別な設備や電気料金が不要なものなどは、比較的コストは下がります。
また、保管費では立地が影響してきます。高速道路のインター近くや国道沿い、市街地近隣の物流施設は非常に便が良く土地が高いため当然ながら保管費はあがります。
荷役費
荷役費は、物流の流れのときの荷物を入荷・出荷する際にかかるコストです。細かく見ると、倉庫や物流センターに入庫する入庫費・出庫されるときの出庫費・梱包する梱包費・流通のために必要なシールやタグ付け、入庫された商品の検品作業、昨今ですとお中元・お歳暮・ギフトをはじめとした熨斗や包装に関わる作業、アパレルにおいてはプレス加工などの流通加工費・通関料・港湾施設利用料、関税なども含みます。
管理人件費
物流を管理する際のコストです。この費用は2種類あり、「社内物流費」「調達物流費」です。社内物流費は、商品として前段階での物流コストです。調達物流費は、原材料を調達するときの物流コストです。
上記が物流コストの内訳です。物流コストは業種や販売形態によってももちろん様々です。
次は、物流コストの具体的な削減方法をご紹介したいと思います。
物流コストのコスト削減方法
運送費、保管費の見直し
運送料と保管費は金額が大きいです。この単価を見直すことで大幅にコスト削減が可能です。もし、外部委託されている場合は、他社の物流代行業者にお見積りを出してみるのもコスト削減の選択肢の一つかなと思います。
拠点の集約を考える
商品などの保管場所が各地に散らばっている場合は、その拠点を集約できないか考えることもコスト減につながります。拠点が減ることで、単純に賃料や管理費が抑えられます。
ただし、配送距離が長くなるので、運賃は高くなる可能性があります。コスト分析をして、比較するとどちらがコスト削減につながるか分かるので、検証してみましょう。
人件費の見直し
物流コストの中で人件費も非常に費用がかかります。この人件費を抑えるには、作業効率を考える必要があります。積載率、回転率を高めたり、保管方法を変更したり、倉庫作業における倉庫レイアウトの変更や、ピッキングの改善、清掃の徹底などの作業環境に着目することも人件費を抑えることにつながります。
情報システムの導入
物流コストを抑えるために、システムを導入することもとても効果的です。システム導入によって、出荷時のミスを削減したり、配送情報の一括管理ができたり、運賃分析の詳細が明確になったりします。大規模なシステム導入の場合は、保守管理費用や定期的なメンテナンスも必要になりますので、これらの費用も考慮したうえで導入されるのが良いと思います。
通販物流のマーケットが非常に拡大していまが、将来的に強い高品質の物流を作りたいと考えている企業は比較的情報システムを非常に重視しておりかなり大きな投資をしているケースもよく見られます。
出荷量バラツキの波を標準化
物流における永遠の課題は出荷の波のバラツキです。繁忙時もあれば、閑散期もあるため人員のコントロールが非常に難しくどこで人員を設定するか?物量が増えた時に対応ができるのか?出荷量バラツキの波動が大きければ大きい程、物量が増えた時のコストの上昇幅、物量が減った時のコストの減少幅を抑えた管理が難しくなります。どこで固定の人員と変動の人員を調整するか?という点を踏まえて管理する必要があります。
その為、出荷のバラツキ波動を抑えた販売方法が究極の経費削減という特殊な手法を使っている会社も小売業では存在します。アメリカのウォルマートのEDLP(Every Day Low Price)という毎日同じ値段で安い価格というのは有名な手法となっております。
アウトソーシングの可能性
今までご説明した通り、物流コストは輸送、保管、荷役、流通加工、システム、出荷量バラツキの波など非常にたくさんの要素から成り立っております。まずは、どの工程で一番コストがかかっているのかを分析し、改善していくことが肝心です。現場を知り尽くした専門的な立場の意見アドバイスは非常に役立つと思いますので、一番コストがかかっている部分や、どうしても効率があがらない工程が明らかになったら、その部門をまずはアウトソーシングしてみることで、時間もコスト削減もできる可能性が高いです。
そして、信頼できる物流代行業者が見つかったら、物流に関する様々な件を相談してみましょう。もしかしたら、現在の物流のフローを全く違った形に変え、一括でアウトソーシングした方が大きくコストが下がるケースもありますよ。
そして、その時間とコストを使って自社の通販サイト運営に時間を使い、よりよい商品開発やマーケティング等の業務を拡大していきたいですよね。
今回は、物流コストの基本から、内訳、削減方法についてご説明し、アウトソーシングの利用についても深堀してみました。ご参考頂けたら幸いです!
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