EC物流における課題とは?詳しい課題と解決策について詳しく解説

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EC物流市場は、年々拡大傾向にあります。その背景として、コロナ禍での外出制限による影響やスマホの普及などが考えられ、消費者にとってEコマースはより身近で便利なものとなりました。

この流れにともない、EC事業の拡大や新規参入をお考えの方もいるでしょう。ただし、EC物流がもたらすのは売上アップなどメリットの側面だけではなく、多くの課題とも向き合わなければなりません。

本記事では、EC物流における課題と解決策を解説します。

■この記事でわかること

  • EC物流における課題
  • EC物流の課題解決に向けてできること

EC物流における課題

EC物流が抱える課題として、主に以下の6つが挙げられます。

  • 物流コストが高い
  • 在庫管理が難しい
  • 短納期への対応が難しい
  • 流通加工の負担が大きい
  • 一つのミスによる影響が大きい
  • 人材確保の難しさ

物流事業に携わる方であれば、誰しもこれらの悩みに突き当たる可能性があります。的確な対策を講じるためにも、あらかじめ課題を把握しておきましょう。

物流コストが高い

EC物流にかかるコストは増加傾向にあるのが現状です。これは輸送費や人件費、倉庫管理費やシステム運用費のコスト上昇などが主な要因といえます。

EC物流は商品の種類が多く、小ロットでの管理・配送が必要です。このため管理のために広い倉庫が必要になったり、複数の配送に人件費が発生したりすることで、どうしてもコストが増えてしまいます。

また、物流業界の2024年問題によって、今後はさらに輸送・配送への負担が大きくなると考えられるでしょう。ドライバーの残業時間が規制されることで一人あたりの稼働時間が短くなるため、現状と同じ配送量でも人手が必要になる可能性があるためです。これにより、輸送にかかる時間やコストが増えることが予想されます。

物流の2024年について、詳しくは以下の記事をご参照ください。

在庫管理が難しい

EC物流ではBtoCが主流です。商品によっては種類やサイズ展開などが豊富にあり、在庫として抱える数も必然的に多くなるでしょう。

在庫が多くなれば保管や管理が難しくなり、商品の場所が把握できなくなったり、在庫の数を間違ったりする事態も想定されます。これらが原因で顧客トラブルに発展する可能性もあるため、十分注意しなければなりません。

 

キャンセル・返品などが発生しやすい

EC物流の場合、キャンセルや返品などが頻繁に起こることで、在庫管理が一層複雑になっています。商品のキャンセルがあった場合、発送中止など工程間の差し戻しが発生するでしょう。また、返品待ちのあいだは在庫数のズレが発生しやすくなります。

キャンセルとともにサイズやカラーの変更を求められた場合、新しい商品の準備が必要です。これらの複雑化した作業が従業員の負担になり、ミスを引き起こす恐れもあります。

 

繁忙期と閑散期の差が大きい

EC物流では、クリスマスや正月、お盆の時期など販売数が多くなる繁忙期があります。季節やイベントだけでなく、SNS・メディアなどの影響によっても注文数の急増が起こりやすいのが特徴です。アパレルの場合には、季節やトレンドに合わせて出荷量を増減させるなど、繁忙期を含むさまざまなタイミングを予想して商品の数を調整しなければなりません。

一方で、閑散期には業務量が減るため、繁忙期に合わせて十分な数の人員を配置すると、閑散期に人手が余ってしまう場合もあるでしょう。

短納期への対応が難しい

EC物流では、商品到着までの納期もお客様が購入する際の判断軸になります。到着日を記載しているECサイトも多く、注文後に翌日配達できるケースや、当日配達を強みとしているところもあります。

このため、自社サイトで商品を購入してもらうためには、リードタイムをなるべく短くすることが重要です。短納期を実現させる場合、注文後すみやかに対応する必要があり、倉庫業務スタッフに負担を強いることになります。

流通加工の負担が大きい

EC物流では、商品ごとに発生する流通加工の負担も大きくなりがちです。例えば、顧客のランクに合わせてチラシやクーポンを同封することもあるでしょう。また、ギフトラッピングを行っているのであればラッピング作業、PCのように事前のセットアップが必要な商品を扱っている場合であれば、そのための時間と手間がかかります。

これらの流通加工業務へ柔軟に対応するには、人手が必要になるほか、設備も整備しなければなりません。結果として作業の負担が増えるだけではなく、コスト面の負担も大きくなってしまいます。

一つのミスによる影響が大きい

EC事業では、一つのミスが企業の印象を左右する可能性があります。幅広いお客様に商品を届ける事業のため、商品や対応にトラブルが起きれば、お客様からの信用を失いかねません。

個別対応によって作業量が多くなっている現場では、ミスが発生しやすいことを理解したうえで対策を打つ必要があります。とくに、繁忙期などの対応量が増える時期は要注意です。商品の誤発送や梱包ミスはクレームにつながる可能性があり、最悪の場合には口コミ評価が広がることで多くの大切な顧客を失う可能性もあります。

人材確保の難しさ

繁忙期や企業の規模拡大など負担が増えるタイミングで、求める人数・求めるスキルの人材確保ができるとは限りません。繁忙期に合わせて仮に人材を確保できたとしても、作業に慣れていないことでミスが起きてしまう可能性もあります。

企業の規模を拡大する際にも、新たに人員を募集しなければならず、育成のための時間とコストがかかるでしょう。場合によっては、雇用条件の見直しや人材確保に向けたアプローチが改めて必要になります。

EC物流の課題解決に向けてできること

ここまで紹介したEC物流の「コストの高さ」「在庫管理が難しい」「流通加工業務の負担」「人材確保のハードル」といった課題を解決する策として、以下3つが考えられます。

  • システムを導入する
  • 作業手順を見直す
  • 物流アウトソーシングを行う

EC物流事業を長く継続していくため、自社に必要な取り組みが何かを考える際の参考にしてみてください。

システムを導入する

EC物流にシステムを導入することで、業務効率化や人材確保、ミスの防止などのさまざまな効果を期待できます。EC物流で活用できるシステムは、WMSや倉庫ロボット、ハンディターミナル、RFIDなどさまざまです。システム上で情報を管理することで、人為的ミスの減少や作業の効率化を実現できます。

なかでもWMSの導入は効果的です。商品バーコードをハンディターミナルやRFIDなどで読み取り、システム上に登録することで在庫管理が容易になり、作業効率の向上が見込めるでしょう。

作業手順を見直す

現在の物流業務を見直し、標準化することで属人化を防ぎましょう。作業の標準化によって全員が正確な作業を行えるようになると、同時にシステム運用もしやすくなります。結果的に、物流品質の維持や向上を狙うことが可能です。

作業を標準化するには、作業マニュアルの作成が必要になります。作業マニュアルがあれば、新しい人材を採用しても指導がしやすく、引き継ぎに時間を要する心配もありません。

物流アウトソーシングを行う

物流業務を外部に委託することで、業務の効率化・正確性の向上が実現できます。物流のプロによる豊富なノウハウをもとに業務フローを構築でき、最適化が図れるでしょう。結果として、自社ですべての物流業務を行う場合よりコストの削減が可能です。

また、それまで物流業務に従事していた人員を、自社のコア業務にあてられるようになります。これにより人件費削減だけでなく、人員を適切なポジションに配置できるようにもなるでしょう。

まとめ

EC物流はコストが高くなりやすいほか、在庫管理が難しい、流通加工の手間がかかるなど、さまざまな課題を抱えています。また、一つのミスが企業に大きな影響を与えることから、ミスを防ぐべく自社業務の見直しが必要になるかもしれません。

課題解決のためには、作業マニュアルの作成やシステムの活用も効果的です。自社での対応が難しいと感じた場合、アウトソーシングを検討してみるのも良いでしょう。

浜松委托運送では、独自システムを活用した細やかな物流サービスをご提供しています。出庫検品時にはバーコードを活用したチェックを行い、誤出荷ゼロ・スピーディな出荷を実現可能です。

アパレルから食品まで、さまざまな流通加工にも柔軟に対応できますので、物流業務のアウトソーシングをご検討中の方はぜひご相談ください。

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